バックアップキャッシュのしくみ

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    リモートストレージを保存先にしたバックアップジョブを作成するときに、プロパティでバックアップキャッシュの使用を選択できます。バックアップキャッシュが有効な場合のデータバックアップの手順は、次のように実行されます。

    1. ユーザーが、リモートの場所を保存先にしたバックアップジョブのプロパティで、バックアップキャッシュを有効にします。
    2. 通常のバックアップジョブセッションで、Veeam Agent for Microsoft Windowsが、バックアップキャッシュに、リモートの場所にあるデータブロックのマップを作成します。リモートの場所にあるデータブロックに関する情報は、ダイジェストとともにファイルに保存され、C:\ProgramData\Veeam\EndpointData\CacheDigestsフォルダに格納されます。

    Veeam Agent for Microsoft Windows は、スケジュールされたバックアップの時間にリモートストレージ自体が利用不可能な場合、作成されたダイジェストを使用して、バックアップキャッシュに増分バックアップファイルを作成します。

    1. スケジュールされたバックアップジョブを開始しなければならないときに保存場所が利用不可能な場合、Veeam Agent for Microsoft Windowsは、バックアップキャッシュに新たなリストアポイントを作成します。

    保存場所が利用不可能とみなされるのは、次の場合です。

    • [ネットワーク共有フォルダの場合] 保護対象コンピューター上で実行されているVeeam Agent for Microsoft Windows Serviceが、ネットワーク共有フォルダに接続できない。この場合、 Veeam Agent for Microsoft Windowsは、ただちに、バックアップキャッシュに新しいリストアポイントを作り始めます。
    • [Veeam Backup Repositoryの場合] Veeam Agent for Microsoft Windows Serviceが、Veeam Agentバックアップの保存場所に指定されているバックアップリポジトリの接続先バックアップサーバーで実行されているVeeam Backup Serviceに接続できない。
    • [Veeam Cloud Connectリポジトリの場合] Veeam Agent for Microsoft Windows Serviceが、Veeam Cloud Connectプロバイダー側の次のサービスの1つに接続できない。
    • Veeam Cloud Connectインフラストラクチャの管理に使用されるバックアップサーバーで実行されているVeeam Backup Service
    • Veeam Cloud Connectインフラストラクチャの管理に使用されるバックアップサーバーで実行されているVeeam Cloud Connect Service
    • Veeam Cloud Connectインフラストラクチャに展開されたクラウドゲートウェイで実行されているVeeam Cloud Gateway Service
    • [Microsoft OneDriveの場合] Veeam Agent for Microsoft Windows ServiceがMicrosoft OneDrive APIに接続できない。

    バックアップジョブの実行中に、保存場所への接続が失われた場合、Veeam Agent for Microsoft Windows は、次のルールに基づいて、バックアップを実行します。

    • [ネットワーク共有フォルダの場合] Veeam Agent for Microsoft Windowsはただちにバックアップキャッシュへ切り替え、現在のバックアップジョブセッションでバックアップしなければならないすべてのデータをバックアップキャッシュに書き込みます。データの一部が既に保存場所に転送されている場合、Veeam Agent for Microsoft Windows は、データ転送操作を最初から開始し、バックアップされたデータすべてをバックアップキャッシュへ転送します。
    • [ Veeam backup repository, Veeam Cloud ConnectリポジトリおよびMicrosoft OneDriveの場合]Veeam Agent for Microsoft Windowsは、保存場所への再接続を試行します。再接続処理に30分以上かかることもあります。再接続期間の終了後、Veeam Agent for Microsoft Windowsはバックアップキャッシュに切り替え、保存場所に転送されずに残ったデータだけをバックアップキャッシュに書き込みます。保存場所へ既に転送されたデータは、バックアップリポジトリに残ります。

    バックアップキャッシュへのデータのバックアップ処理は、実際のところ、通常のバックアップ処理とほとんど変わりません。違うのは、結果として作成されるバックアップファイルがリモートストレージではなく、ローカルフォルダに保存されるところです。

    Veeam Agent for Microsoft Windows がバックアップキャッシュにリストアポイントを作成し始めた後で、保存場所の利用が可能になった場合、Veeam Agent for Microsoft Windowsが保存場所を元に戻すことはありません。その代わり、Veeam Agent for Microsoft Windowsはバックアップキャッシュにリストアポイントを作成し、このリストアポイントを保存場所にアップロードします。

    1. リモートストレージが利用可能になってから、Veeam Agent for Microsoft Windows は、バックアップキャッシュに作成されたバックアップファイルを保存場所にアップロードします。バックアップキャッシュに複数のリストアポイントが作成されている場合、これらのリストアポイントは、1つずつ順番に保存場所にアップロードされます。

    バックアップジョブの実行中に保存場所が利用可能になった場合でも、すべてのリストアポイントがバックアップキャッシュから保存場所へアップロードされるまで、Veeam Agent for Microsoft Windowsは、バックアップキャッシュに新しいリストアポイントを作り続けます。

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