Microsoft OneDriveのサポート
Veeam Agent for Microsoft WindowsではMicrosoft OneDriveにデータをバックアップできます。これは、バックアップインフラストラクチャを設定することなくオフサイトにバックアップを保持したいと考えている、家庭用PC、ワークステーション、ノートパソコンのユーザー向けの機能です。
Microsoft OneDriveへのバックアップは、以下のオペレーティングシステムを実行しているVeeam Agentコンピューターでサポートしています。
- Microsoft Windows 7 SP1
- Microsoft Windows 8.1
- Microsoft Windows 10
Microsoft OneDriveにバックアップを作成するには、Veeam Agentバックアップジョブのプロパティで、バックアップファイルの保存先としてMicrosoft OneDriveを選択する必要があります。バックアップジョブを構成するときに、Microsoft OneDriveストレージへのアクセス権限のあるMicrosoft OneDriveアカウントのログイン情報を指定してください。データのバックアップに使用できるMicrosoft OneDriveアカウントは次のタイプです。
- OneDrive(個人用)
- OneDrive for Business
バックアップジョブセッションを開始すると、Veeam Agent for Microsoft Windowsがバックアップされたデータを直接Microsoft OneDriveにコピーします。他のタイプのバックアップ場所とは違い、Microsoft OneDriveへのバックアップ中、Veeam Agent for Microsoft WindowsはコピーされたデータブロックをVBKまたはVIBタイプのバックアップファイルに保存しません。代わりに、Veeam Agent for Microsoft Windowsはデータブロック全体を「そのまま」保存します。そのため、Veeam Agent for Microsoft Windowsは、バックアップされたデータのアップロード、バックアップチェーンのリストアポイントを使用した変換操作の実行、保持による使用されなくなったリストアポイントの削除などを、より効率よく行うことができます。
バックアップがMicrosoft OneDriveに格納される場合、バックアップメタデータはバックアップされたデータそのものの横に保存されます。また、Veeam Agent for Microsoft Windowsはバックアップメタデータのコピーを、Veeam Agentコンピューター上のC:\ProgramData\Veeam\OneDriveBackupフォルダに保存します。
Microsoft OneDriveに格納されたVeeam Agentバックアップを使用して、他のタイプの保存場所にあるVeeam Agentバックアップに利用できるのと同じデータ復元操作を実行できます。 また、コンピューターボリューム全体または個々のファイルやフォルダのリストアができます。コンピューターを起動できない場合は、Veeamリカバリメディアからコンピューターを起動して、Microsoft OneDriveに格納されているボリュームレベルのバックアップからデータをリストアすることもできます。
注 |
Microsoft OneDriveは、Veeam Agentコンピューター上に直接構成されたVeeam Agentバックアップジョブのターゲットとしてのみ、使用できます。 Veeam Agentの管理シナリオ内で管理されているVeeam Agent for Microsoft Windowsでは、Microsoft OneDriveへのバックアップはサポートされていません。 |
Veeam Agent for Microsoft WindowsはOneDrive API経由でMicrosoft OneDriveと通信します。 Veeam Agent for Microsoft WindowsがAPIにアクセスできるようにするには、New Backup JobウィザードでMicrosoft OneDriveにサインインする必要があります。 Microsoft OneDriveにサインインすると、Veeam Agent for Microsoft WindowsはOneDrive APIへのアクセスを提供するMicrosoft OneDrive認証トークンを取得します。
OneDrive APIを使用するために、Veeam Agent for Microsoft Windowsは以下のタイプのトークンを使用します。
- アクセストークン。 Veeam Agent for Microsoft Windowsはこのトークンを使用して、 OneDrive APIにリクエストを送信します。アクセストークンは2時間有効です。 この期限が切れた後に、Microsoft OneDriveに再度サインインせずに新しいアクセストークンを取得するため、Veeam Agent for Microsoft Windowsはリフレッシュトークンを使用します。
- リフレッシュトークン。 Veeam Agent for Microsoft Windowsは、最初のアクセストークンの期限が切れた後、このトークンを使用してMicrosoft OneDriveに新たなアクセストークンをリクエストします。アクセストークンと違って、リフレッシュトークンはVeeam Agent for Microsoft Windowsデータベースに保存されます。リフレッシュトークンは、Microsoft OneDriveへの接続に使用されるアカウントのタイプによって、14日から180日間有効です。
- 180日間 — 個人用OneDriveのアカウントの場合。
- 14~90日間 — OneDrive for Businessのアカウントの場合。Veeam Agent for Microsoft Windowsでは14日以内に次のいずれかの操作を実行すると、14日間を超えるリフレッシュトークンを使用できます。
- New Backup JobウィザードでのMicrosoft OneDriveへのサインイン
- Microsoft OneDriveへのバックアップ
- Microsoft OneDriveでのバックアップチェーンの変換
- Microsoft OneDriveとのバックアップキャッシュの同期
- Microsoft OneDriveからのデータのリストア
90日間が過ぎたら、New Backup Jobウィザードでもう一度OneDrive for Businessのアカウントにサインインする必要があります。サインインしない場合、バックアップジョブは失敗します。
Microsoft OneDriveへのバックアップの制限事項
Microsoft OneDriveへのバックアップには次のような制限があります:
- Microsoft OneDriveには、スタンドアロンフルバックアップを作成できません。
- Veeam AgentはMicrosoft OneDriveに作成されたバックアップファイルのヘルスチェックをサポートしていません。
- Veeam AgentはMicrosoft OneDriveでのMicrosoft SQL ServerトランザクションログのバックアップおよびOracleアーカイブログのバックアップの作成をサポートしていません。
- <%VA%>は、Microsoft OneDriveを対象としたバックアップジョブの長期保存ポリシー(GFS)をサポートしていません。
- Veeam Agent for Microsoft Windowsの無償版で Microsoft OneDriveに作成できるのは、オペレーティングシステムのデータを含むファイルレベルのバックアップのみです。
- Microsoft OneDriveに格納されているバックアップファイルを別のタイプのバックアップストレージに移動して、別の保存場所でVeeam Agentバックアップチェーンを続行することはできません。
- Veeam Backup & ReplicationでVeeam Agentを使用する場合、Microsoft OneDriveに格納されているバックアップをコンソールにインポートすることはできません。
- Microsoft OneDriveに設定されたサードパーティアプリケーションに対する制限により、Microsoft OneDriveへのバックアップとMicrosoft OneDriveからのデータのリストアには、高速なネットワークであっても長い時間を要します。
- Microsoft OneDriveへのバックアップは、次のOneDriveストレージプランのリージョンではサポートされていません。
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