Storage Snapshots Support
Veeam Backup & Replicationと管理対象モードで動作するVeeam Agent for Microsoft Windows（Veeam Agent管理シナリオ内）を使用して、ネイティブストレージスナップショットからバックアップを作成することができます。
ネイティブストレージスナップショットによって可能なことは次の通りです。
- Veeam Backup & Replication：バックアッププロキシサーバーを使用したストレージシステムの処理。
- Veeam Agent：ボリュームシャドウコピーサービス（VSS）プロバイダー、および本番ストレージシステムで作成されたネイティブスナップショットの機能を使用したバックアップの作成。
このアプローチでは、ソフトウェアVSSプロバイダーを使用する通常のバックアップシナリオと比較して、保護対象サーバーにかかる負荷が大幅に減ります。
データソースとしてストレージスナップショットを使用するバックアップジョブに関する一般的な情報については、『Veeam Backup & Replicationユーザーガイド』の「ストレージシステムとの統合」セクションを参照してください。
データソースとしてストレージシステムスナップショットを使用するVeeam Agentバックアップジョブを構成する前に、次の手順を実行する必要があります。
- ストレージスナップショットのバックアップインフラストラクチャを構成します。詳細については、『Veeam Backup & Replicationユーザーガイド』の「ストレージスナップショットのバックアップインフラストラクチャ」セクションを参照してください。
注意することとして、利用するストレージでVeeam Agentバックアップを処理できるようにしておく必要があります。この操作を行うには、New Storageウィザードの[Name]ステップで[Agent backup]チェックボックスを選択し、ウィザードの[Agent Access]ステップにて、ストレージシステムにアクセスするオプションを指定します。詳細については、『Veeam Backup & Replicationユーザーガイド』の「ストレージシステムの追加」セクションを参照してください。
Veeam Agent for Microsoft Windowsでは、ハードウェアVSSプロバイダーのみを使用してネイティブスナップショットからバックアップを作成することができます。サポートされているストレージシステムの一覧については、『Veeam Backup & Replicationユーザーガイド』の「Veeam Agentの統合」を参照してください。
- Microsoft Windowsマシンをインベントリに追加し、Veeam Backup & Replicationコンソールを使用してこのマシンにVeeam Agent for Microsoft Windowsを導入します。詳細については、「保護グループの作成」を参照してください。
ストレージシステムスナップショットからVeeam Agentバックアップを作成する前に、次の前提条件を確認してください。
- バックアッププロキシとVeeam Agentマシンで、Microsoft Windows Server OSバージョンが実行されること。バックアッププロキシでは、Veeam AgentマシンのOSバージョンより古いOSバージョンは実行できません。
- 次の製品エディションを使用すること。
- Standard、Enterprise、Enterprise PlusのいずれかのエディションのVeeam Backup & Replication：バックアッププロキシロールのバックアップサーバーにて。
- サーバーエディションのVeeam Agent for Microsoft Windows：Veeam Agentマシンにて。
製品エディションは、Veeam Backup & Replicationバックアップコンソールの[License Information]ウィンドウで確認できます。詳細については、『Veeam Backup & Replicationユーザーガイド』の「ライセンス情報の表示」セクション、および『Veeam Agent for Microsoft Windowsユーザーガイド』の「Veeam Agentへのライセンスの割当」セクションを参照してください。
- 1つ以上のストレージ論理装置番号（LUN）がVeeam Agentマシンにマッピングされていること。
- すべてのLUNにアクセスできるバックアッププロキシが1つ以上あること。
- ストレージシステムに対して、iSCSIとファイバーチャネルのいずれかのプロトコルを使用すること。
- iSCSIとファイバーチャネルのいずれかのプロトコルを使用して、LUNをVeeam Agentマシンに、バックアッププロキシをストレージシステムに接続すること。
- iSCSIプロトコルを使用する予定の場合、バックアッププロキシとVeeam Agentマシンで、Microsoft iSCSI Softwareイニシエーターが有効になっている必要があります。
- ファイバーチャネルプロトコルを使用する予定の場合、バックアッププロキシとVeeam Agentマシンにファイバーチャネルアダプターがインストールされていて、かつファイバーチャネルファブリックを通じてストレージシステムにアクセスできる必要があります。
- パーティショニングスキームとしてGUIDパーティションテーブル（GPT）を使用するディスクのストレージシステムがVeeam Agentマシンにある場合は、各ディスクにMicrosoft予約（MSR）パーティションが含まれていること。
『Veeam Backup & Replicationユーザーガイド』に記載されている一般的な制限事項に加えて、ストレージスナップショットからのVeeam Agentのバックアップに関する以下の制限事項も考慮してください。
- 記憶域レプリカ機能がVeeam Agentコンピューターにインストールされている場合、ハードウェアVSSプロバイダーを使用してこのコンピューターをバックアップすることはできません。このコンピューターをバックアップの範囲に入れる場合、ソフトウェアVSSプロバイダーを使用する通常のバックアップシナリオにVeeam Backup & Replicationがフェイルオーバーできるようにする必要があります。詳細については、「統合設定」を参照してください。記憶域レプリカの詳細については、こちらのMicrosoftの記事を参照してください。
- バックアッププロキシとバックアップするVeeam Agentマシンを同一のマシンにすることはできません。
- ハードウェアVSSプロバイダーを使用して次のオブジェクトをバックアップすることはできません。
- RDMディスクに割り当てられたボリューム
- ストレージ領域
RDMディスクに割り当てられたボリュームやストレージ領域がバックアップ範囲にある場合、ストレージインテグレーション設定でフェイルオーバーが許可されていなくても、Veeam Backup & Replicationは通常のバックアップシナリオにフェイルオーバーします。
- BitLocker暗号化ボリュームはサポートされますが、制限があります。詳細については、「BitLocker暗号化ボリューム上のストレージスナップショット」を参照してください。
ストレージスナップショットからバックアップを作成するにあたり、Veeam Backup & ReplicationとVeeam Agentで実行される処理は次の通りです。
- Veeam AgentコンピューターにハードウェアVSSプロバイダーがインストールされていることをVeeam Backup & Replicationが確認します。
ハードウェアVSSプロバイダーがインストールされていない場合、Veeam Backup & ReplicationはVeeam Agentコンピューターを再スキャンしてハードウェアVSSプロバイダーをインストールします。
- Veeam Backup & Replicationがバックアップジョブセッションを開始し、ネイティブスナップショットを新規のLUNとして作成するよう、ストレージシステムに要求を送信します。
ストレージシステムが、VSSで許可された時間内にネイティブスナップショットを作成できなかった場合、Veeam Backup & Replicationはストレージインテグレーション設定に従って動作します。Veeam Backup & Replicationはバックアップジョブを[Failed]のステータスで完了させるか、またはソフトウェアVSSプロバイダーを使用する通常のバックアップシナリオにフェイルオーバーします。
VSSの詳細については、こちらのMicrosoftの記事を参照してください。
- スナップショットLUNが作成されたら、このLUNがVeeam Agentマシンに接続してVSS操作を終了し、ストレージのメタデータを記録します。
- Veeam Backup & ReplicationがスナップショットLUNをバックアッププロキシに移動します。
- Veeam Backup & Replication がスナップショットLUNを読み取って、バックアッププロキシからターゲットのリポジトリにデータを転送します。
スナップショットLUNにダイナミックボリュームが含まれる場合、Veeam Backup & Replicationはこのボリュームのすべてのエクステントを読み取ることに注意してください。
- Veeam Backup & Replicationがバックアップジョブセッションを完了して、ストレージとバックアッププロキシからスナップショットのメタデータを削除します。
この後、ストレージスナップショットから作成されたバックアップを、リストアや管理タスクに使用できるようになります。そのようなVeeam Agentバックアップに対して、Veeam Backup & Replicationでは、ソフトウェアVSSプロバイダーを使用する通常のバックアップシナリオで作成されたバックアップの場合と同じ一連の操作を実行することができます。詳細については、「Veeam Agentバックアップからのデータのリストア」と「Veeam Agentバックアップの管理」を参照してください。