高度な導入

多数のバックアップおよびレプリケーションのジョブが実行される中規模または大規模なHyper-V環境の場合、高度なデプロイメントのシナリオは優良な選択肢となり得ます。

高度な導入には以下のコンポーネントが含まれています。

  • 仮想インフラストラクチャ・サーバー - バックアップとレプリケーションのソースおよびターゲットとして使用されるHyper-Vホスト。
  • バックアップサーバー — バックアップインフラストラクチャのコンフィグレーションセンターおよびコントロールセンター。
  • オフホストバックアッププロキシ — ソースデータストアからVMデータを取得、処理し、ターゲットへ転送する「データムーバー」コンポーネント。
  • バックアップリポジトリ — バックアップファイルおよびレプリカの補助ファイルの格納に使用する場所。
  • 専用のマウントサーバー — VMゲストOSファイルおよびアプリケーションアイテムを元の場所にリストアするために必要なコンポーネント。
  • 専用のゲストインタラクションプロキシ — Microsoft Windows VMで非永続的実行時コンポーネントまたは永続的エージェントコンポーネントの導入に使用されるコンポーネント。

高度なデプロイメントのシナリオでは、データ処理がHyper-Vサーバーからオフホスト・バックアップ・プロキシにシフトされます。これは、ソース側で、ソースHyper-Vホストのより近くに展開される専用マシンです。オフホストバックアッププロキシは「データムーバー」として機能し、VMデータを処理し、ソースからターゲットへバックアップトラフィックを仲介します。したがって、ジョブの処理オーバーヘッドおよびデータ転送は、ソースHyper-Vホストからオフロードされます。

高度な導入のシナリオでは、バックアップデータは、バックアップサーバー上のバックアップリポジトリには格納されなくなります。代わりに、データは専用のバックアップリポジトリに転送されます。バックアップサーバーは、オフホストバックアップロキシおよびバックアップリポジトリの「マネージャー」となります。

高度な導入 

高度な導入のシナリオを使用して、バックアップインフラストラクチャを数分程度で水平方向に展開し、データ保護要件を満たすことができます。バックアップサーバーの数を増やしたり、ジョブのスケジューリングを絶えず調整したりしなくても、複数のバックアップインフラストラクチャコンポーネントをインストールし、それらにバックアップワークロードを分配することができます。インストールプロセスは完全に自動化されており、仮想環境でのバックアップインフラストラクチャの導入と保守は簡素化されています。

複数のプロキシを備える仮想環境では、Veeam Backup & Replicationによってプロキシにバックアップ・トラフィックが動的に分配されます。ジョブは明示的に特定のプロキシにマップできます。または、Veeam Backup & Replicationでオフホスト・バックアップ・プロキシを選択できます。この場合、Veeam Backup & Replicationによって利用可能なバックアップ・プロキシの設定がチェックされ、ジョブに最も適したプロキシが選択されます。バックアッププロキシは、ソースホストとターゲットホスト、そしてファイルが書き込まれるバックアップリポジトリへのアクセス権を持っている必要があります。

バックアップの負荷を調整するには、バックアッププロキシ1つあたりの現在のタスクの最大数を指定し、プロキシの帯域幅を制限するようにスロットリングルールを設定することができます。バックアップリポジトリの場合は、現在のタスクの最大数を指定し、組み合わされるデータ速度を定義できます。

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