WANグローバルキャッシュ

技術的な観点から言うと、グローバルキャッシュは、ターゲットWANアクセラレータ上のフォルダです。デフォルトで、グローバルキャッシュデータは、最も空き容量のあるディスク上のVeeamWANフォルダに保存されます。ただし、ターゲットWANアクセラレータの設定時に、任意のフォルダを定義することができます。

WANグローバルキャッシュ 注:

ソース側とターゲット側の両方のWANアクセラレータが高帯域幅モードで動作している場合、グローバルキャッシュは使用されません。

デフォルトでは、グローバルキャッシュのサイズは100 GBです。必要な場合は、サイズを増減できます。割り当てる領域が多いほど、繰り返しのデータブロックがグローバルキャッシュにより多く書き込まれ、WANアクセラレーションの効率が高まります。少なくとも40 GBをグローバルキャッシュのストレージに割り当てることが推奨されます。

グローバルキャッシュサイズは、ソースWANアクセラレータごとに指定されます。つまり、1つのターゲットWANアクセラレータに複数のソースWANアクセラレータを使用する予定の場合、指定した容量は、ターゲットWANアクセラレータとともに動作する、すべてのソースWANアクセラレータに割り当てられ、グローバルキャッシュのサイズも比例して増加します。詳細については、「WANアクセラレータのサイジング」を参照してください。

WANグローバルキャッシュは、ソース側からターゲット側に繰り返し送信されるデータブロックを保持する「ライブラリ」です。グローバルキャッシュは、リモートロケーションへのジョブの最初のサイクルでデータが移入されます。WindowsベースのOS、Linux/UNIXなどの他のOS、Microsoft Exchange Serverのデータブロックが優先されます。

Veeam Backup & Replicationは、絶えずグローバル・キャッシュを実際の状態に維持します。そのために、WANを介して送信されるデータブロックと、グローバルキャッシュ内のデータブロックを継続的に監視します。

  • ある新しいデータブロックがWANを介して何度も送信される場合、そのデータブロックは、グローバルキャッシュに追加されます。
  • グローバルキャッシュ内のあるデータブロックがWANを介して送信されず、一定期間再利用されなかった場合は、新しいデータブロックのスペースを確保するために、グローバルキャッシュからそのデータブロックは削除されます。

Veeam Backup & Replicationは、定期的な整合性チェックも実行します。グローバル・キャッシュ内のあるデータ・ブロックが破損した場合、Veeam Backup & Replicationは、そのデータ・ブロックをグローバル・キャッシュから削除します。

WANアクセラレーションの効率は、バックアップコピージョブの新しいバックアップコピー間隔ごとに向上します。バックアップコピーのジョブの最初のバックアップコピー間隔の間、WANアクセラレーションのレベルは最小となります。Veeam Backup & Replicationがグローバルキャッシュにデータを移入します。新しいジョブサイクルごとに、Veeam Backup & Replicationはグローバルキャッシュをアップデートして、最も「利用頻度の高い」データブロックを含めます。これによりWANアクセラレーションの効率が向上します。

WANグローバルキャッシュ 注:

リモートロケーションへのジョブを初めて実行する前に、グローバルキャッシュにデータを移入できます。この場合、Veeam Backup & Replicationはリモートロケーションへのジョブの最初のセッションからグローバルキャッシュを使用します。これによりWANのトラフィックは最小限になります。詳細については、「グローバルキャッシュのデータ移入」を参照してください。

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