VSSプロバイダーの選択 (Microsoft Hyper-V Server 2012 R2以前)
バックアップジョブを設定する前に、ボリュームシャドウコピーの作成および維持に使用するVSSプロバイダーを決定しておくことをお勧めします。
デフォルトでは、Veeam Backup & ReplicationはすべてのボリュームのVSSプロバイダーを自動的に選択します。4時間ごとに、バックアップインフラストラクチャに追加されたすべてのMicrosoft Hyper‑Vホストが再スキャンされ、接続されたボリュームに関する情報がアップデートされます。Veeam Backup & Replicationは、すべてのボリュームの利用可能なソフトウェアおよびハードウェアVSSプロバイダーに関する情報も収集します。
ハードウェアプロバイダーが利用可能な場合、Veeam Backup & Replicationは、ボリューム上にボリュームシャドウコピーを作成するハードウェアプロバイダーを選択します。ハードウェアプロバイダーがインストールされていない場合、Veeam Backup & ReplicationはVSSシステムのソフトウェアプロバイダーを選択します。ただし、必要に応じて、すべてのボリュームに手動でVSSプロバイダーを割り当てることができます。
ソフトウェアプロバイダーとハードウェアプロバイダーの両方をボリュームに利用できる場合は、ハードウェアプロバイダーを選択することをお勧めします。一般的に、ソフトウェアプロバイダーは幅広いストレージプラットフォームに適用できますが、多くの制限があります。
- ソフトウェアプロバイダーは、転送可能なボリュームシャドウコピーをサポートしておらず、オフホストバックアップに使用できません。
- デフォルトでは、同じボリュームを使用しているジョブは、ボリュームのスナップショットを最大4つ同時に取得できます。スナップショットの数は、必要に応じて増やすことができます。
- ハードウェアプロバイダーは、ストレージシステムのコントローラレベルで動作します。ソフトウェアプロバイダーは、ファイルシステムとボリュームマネージャー間でソフトウェアレベルで動作し、ソースホストで大きなパフォーマンスのオーバーヘッドの原因になることがあります。
- [Microsoft Windows Server 2008 R2の場合] ハードウェアプロバイダーは、複数のスナップショットを同時に操作できます。つまり、同じボリュームを使用するジョブが複数ある場合、それらを並行して実行できます。ソフトウェアプロバイダーを使用する場合、Veeam Backup & ReplicationはVM処理をシリアル化します。同じボリュームを使用する複数のジョブを同時に開始することはできません。VMディスクがあるボリュームは、データの全処理期間にわたって1つのジョブでロックされた状態になります。ジョブが完了すると、ボリューム上で他のジョブへのアクセスが可能になります。
このようなケースでは、ハードウェアプロバイダーを使用してスナップショットを取得すると、CSVはスナップショットの取得時にリダイレクトされたモードのままになります。ボリュームシャドウコピーが作成されると、CSVはダイレクトI/Oを再開します。
- [Microsoft Windows Server 2008 R2の場合] ソフトウェアプロバイダーは、CSVでのバックアップには適していません。同じボリューム上にあって別のホストに登録されているVMをバックアップするには、多大なバックアップウィンドウが必要です。クラスターノードがCSVでスナップショットを開始すると、CSVはバックアップの進行中、リダイレクトされたアクセスモードに切り替わります。
ソフトウェアプロバイダーを使用してスナップショットを取得すると、バックアッププロセスが完了するまでCSVはリダイレクトされたモードのままになります。大きな仮想ディスクが処理される場合、多大なバックアップ時間がかかる可能性があります。
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