制限事項と考慮事項

Linuxバックアップリポジトリに対するすべての要件および制限が、強化リポジトリに適用れます。また、次の制限と考慮事項に注意してください。

ホストとファイルシステムの要件

  • Veeamデータムーバーの要件のため、Linuxのホストは64ビット版である必要があります。
  • Linuxホストのファイルシステムは、chattrおよびsetfattrコマンドで修正された拡張属性に対応している必要があります。詳細については、Linuxのlsattrおよびxattrの記事を参照してください。

多くの一般的なLinuxファイルシステムはこれらの属性をサポートしています(XFS、EXT3 / 4、RFS)。パフォーマンスとスペース効率の理由から、強化リポジトリーにはXFSをお勧めします(ブロッククローニングのサポート)。

  • ReiserFSファイルシステムはイミュータブルファイルをサポートしていません。ReiserFSで実行されているLinuxサーバーを、イミュータビリティの強化リポジトリとして選択することはできません。
  • NIST 800-171セキュリティプロファイルでLinuxサーバーをサポートするには、このVeeamKBの記事に記載されている要件が満たされていることを確認してください。

リポジトリの制限事項

  • 強化リポジトリは、異なるVeeam Backup & Replicationサーバー間で共有できません
  • バックアップファイルをイミュータビリティのリポジトリに保存する場合は、逆増分または永久増分バックアップモードを選択することはできません。バックアップファイルがイミュータブルになると、イミュータビリティ期間が終了した場合にのみ、バックアップファイルを統合または削除できます。このため、バックアップジョブの設定でアクティブフルバックアップまたは合成フルバックアップを有効にする必要があります。

定期的なフルの要件は、高速クローンのおかげで、合成フルバックアップが物理ディスク領域(メタデータを除く)を使用しないため、ディスク領域の使用量の観点からXFSベースのリポジトリがより望ましいことも意味します。

  • 強化リポジトリからイミュータブルのバックアップファイルを手動で削除することはできません
  • イミュータビリティのリポジトリの構成時には、永続的なログイン情報と1回限定のログイン情報のどちらでも使用できます。詳細については、「ログイン情報およびSSH設定の指定」を参照してください。ただし、対応するLinuxホストをデータベースで2回使用しないでください。
  • 1回限定のログイン情報を使用する場合、リポジトリが保存されているホストは他のロールで使用できず、プロキシとして、またはファイルサーバーとして追加することができません。
  • 永続的なログイン情報を使用する場合、リポジトリが保存されているホストはプロキシロールで使用できません。また、ファイルサーバーのロールは推奨されません。
  • NFSは、Linuxからのイミュータビリティコマンドを受け入れません。このため次の点に注意してください。
  • NFS共有をイミュータビリティのリポジトリとして使用することはできません
  • LinuxサーバーにマウントされたNFSボリュームを、イミュータビリティの強化リポジトリとして使用することはできません(ローカルまたはDASである必要があります)。LinuxサーバーにマウントされたNFSボリュームを、イミュータビリティのない強化リポジトリとして使用できます。
  • ホストの追加時に1回限定のログイン情報を使用した場合は、強化および標準のリポジトリの両方を、Linuxサーバー1つのみに配置することができます。標準のリポジトリは、永続的なログイン情報と無効化されたイミュータビリティが追加されたリポジトリです。
  • スケールアウトバックアップリポジトリの場合
  • 強化リポジトリをパフォーマンスエクステントとしてスケールアウトバックアップリポジトリに追加できます。詳細については、「スケールアウトバックアップリポジトリ」および「パフォーマンスエクステントの追加」を参照してください。
  • キャパシティ層オプションを使用する場合、パフォーマンスエクステントとしてのイミュータビリティの強化リポジトリはキャパシティ層の動作に影響することに注意してください。イミュータブルバックアップファイルは移動できなくなります。パフォーマンスエクステントから削除できないためです。このようなバックアップファイルは、Veeam Backup & Replicationによってキャパシティ層にコピーされます。イミュータビリティ期間が終わると、Veeam Backup & Replicationはこれらのファイルをパフォーマンスエクステントから削除します。コピーおよび移動のポリシーの詳細については、「キャパシティ層へのバックアップのコピー」および「キャパシティ層へのバックアップの移行」を参照してください。
  • イミュータブルのパフォーマンスエクステントからバックアップを退避させる場合、Veeam Backup & Replicationではバックアップを移動するのではなくコピーします。ターゲットのエクステントもイミュータブルである場合は、ターゲットのエクステントのイミュータビリティがコピーされたバックアップファイルに適用されます。バックアップの退避の詳細については、「パフォーマンスエクステントからのバックアップの退避」を参照してください。
  • 1つのスケールアウトバックアップリポジトリ内でミュータブルエクステントとイミュータブルエクステントを混在させないようにすることをお勧めします。既存のLinuxエクステントから強化リポジトリを作成する場合は、移行シナリオでのみこれらを混在させることができます。

イミュータビリティ機能に関する制限事項と考慮事項

  • [移動ポリシーが無効になっているキャパシティ層の場合] Veeam Backup & Replicationは、バックアップリポジトリのイミュータビリティ期間とGFSバックアップファイルの有効期間を比較し、GFS保持ポリシーを使用したフルバックアップファイルのイミュータビリティ期間をこれらの最長値に等しく設定します。

例:バックアップリポジトリのイミュータビリティ期間は10日です。 GFSバックアップファイルの有効期間は3年です。バックアップファイルは3年間イミュータブルです。このフルバックアップファイルからの増分は、最後の増分作成から10日間イミュータブルになります。

  • [移動ポリシーが有効になっているキャパシティ層の場合] Veeam Backup & ReplicationはGFS保持ポリシーを無視します。フルバックアップファイルのイミュータビリティ期間は、強化リポジトリの設定で指定された期間と同じです。
  • イミュータビリティの強化リポジトリがスケールアウトバックアップリポジトリの一部であり(キャパシティ層が追加され、移動ポリシーが有効になっている)、 VeeamZIPジョブのターゲットとして使用される場合—バックアップファイルのイミュータビリティ期間は、強化リポジトリの設定で指定された期間と同じです。
  • イミュータビリティ機能は、イメージレベルのバックアップでのみサポートされます。強化リポジトリを使用して、NASバックアップ、トランザクションバックアップ、RMAN / SAP HANA / SAP on Oracleバックアップを保存できますが、イミュータビリティ機能を使用してこれらのバックアップを保護することはできません。
  • Nutanix Mineインフラストラクチャにイミュータビリティ機能を使用することはお勧めしません。Mineのリポジトリにはシンプロビジョニングディスクが含まれているため、Veeam Backup & Replicationがリポジトリの全ストレージ容量を使用しており、かつファイルシステムからバックアップファイルを削除できないというケースがあり得ます。
  • VeeamZIPまたはエクスポートバックアップジョブで生成されたバックアップファイルのイミュータビリティ期間は、次のように設定されます。
  • [保持期間が有効になっている場合] Veeam Backup & Replicationは、バックアップリポジトリのイミュータビリティ期間と保持期間の有効期間を比較し、保持期間がこれらの期間の最長に等しいバックアップファイルのイミュータビリティ期間を設定します。

例:バックアップリポジトリのイミュータビリティ期間は1か月です。VeeamZIPまたはエクスポートバックアップのバックアップファイルの有効期間は7年です。バックアップファイルは7年間不変です。

  • [保持期間が無効になっている場合] Veeam Backup & Replicationは、VeeamZIPまたはエクスポートバックアップの保持期間を無視します。バックアップファイルのイミュータビリティ期間は、強化リポジトリの設定で指定された期間と同じです。

強化リポジトリのアベイラビリティ

Veeam Backup & Replicationは、1回限定のログイン情報を構成データベースに保存しません。したがって、 Veeam Backup & Replication構成データベースをバックアップし、Veeam Backup & Replicationの設定をリストアすると、強化リポジトリはVeeam Backup & Replicationコンソールで使用できなくなります。リポジトリを再び利用できるようにするには、リストア後に次の手順を実行します。

  1. Veeam Backup & Replicationコンソールで、[Backup Infrastructure]ビューを開きます。
  2. ナビゲーションペインで、[Managed servers]を選択します。
  3. 作業領域で、強化リポジトとして使用されているLinuxサーバーを右クリックして、[Properties]を選択します。
  4. 手順3.[Edit Backup Server***]ウィザードの[Specify Credentials and SSH Settings]で、1回限定のログイン情報を使用し、[Finish]をクリックて設定を更新します。

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