非ルート共有フォルダからルート共有フォルダへのバックアップの変換

バージョン11以降のVeeam Backup & Replicationでは、サーバーのルートフォルダをファイル共有バックアップジョブのソースとして追加できます。この場合には、このサーバー上に存在する個別の共有フォルダに対する変更はすべて、このサーバーのルート共有フォルダが追加されたファイル共有バックアップジョブに反映されます。さまざまなプロトコルを使用する複数の共有ルートフォルダを1つのファイル共有バックアップジョブに追加することで、そのサーバーに追加された(または今後追加される)すべてのファイル共有を保護することができます。

以前、同一サーバー上に複数の個別の非ルート共有フォルダが存在していたが、同じ共有を単一のルート共有フォルダでカバーするよう変更したい場合は、フルバックアップを実行して保護対象の共有のデータを更新する必要はありません。代わりに、既存のバックアップを変換し、既存のファイル共有バックアップジョブを更新することで、同一サーバー上にあるその他すべての非ルート共有フォルダを含む単一のルート共有フォルダを保護できます。この変換は慎重に行ってください。

非ルート共有フォルダからルート共有フォルダにバックアップを変換するには、次の手順を実行します。

  1. バックアップを変換する必要があるファイル共有を保護するファイル共有バックアップジョブを無効にします。これを行うには、[Home]ビュー内のインベントリペインの[Jobs]ノードで目的のジョブを右クリックし、[Disable]を選択します。別の方法としては、リボン上の[Disable]をクリックすることもできます。
  2. ご使用のバックアップインフラストラクチャに、既存の非ルート共有が存在するサーバー全体またはストレージシステム全体のためのルート共有(たとえば、NFSやSMB)が追加されていることを確認してください。これらの共有は同じサーバーまたはストレージシステムに存在する必要があります。これらの共有は、ホスト名以外すべて一致している必要があります。
  3. Convert-VBRNASBackupRootFormat PowerShellコマンドレットを使用して、同一サーバー上の個別の非ルート共有フォルダを対象として1つのファイル共有バックアップジョブによって作成されたバックアップを、サーバーの単一のルートフォルダとその下の同一タイプのすべての非ルート共有フォルダを対象として作成されたバックアップに変換します。詳細については、『Veeam PowerShellリファレンス』でConvert-VBRNASBackupRootFormatコマンドレットの説明を参照してください。

その結果、バックアップは、[Home]ビューのインベントリペイン内の[Backups] > [Disk]ノードから[Backups] > [Disk (Orphaned)]ノードに移動されます。

このステップで、コマンドレットによってバックアップが正しく変換されたかどうかを確認できます。これを行うには、[Disk (Orphaned)]ノード内のバックアップオブジェクト名が変更されており、サーバーのルートフォルダへのパスが表示されるようになったことを確認します。オブジェクト名が変更されておらず、以前のように複数の個別の非ルート共有フォルダへのパスが表示されている場合は、変換プロセスを続行すると望ましくない結果となる可能性があります。たとえば、変換後のバックアップに対してバックアップジョブを有効にした場合は、そのジョブによって、増分実行ではなく、余分なコストがかかる可能性がある完全実行で、ルートフォルダの下のすべての共有フォルダがバックアップされます。

  1. Edit File Backup Jobウィザードを使用して、次のように、ファイル共有を保護するファイルバックアップジョブを編集します。
  1. ウィザードの[Files and Folders]ステップで、そのジョブから既存の非ルート共有フォルダを削除し、代わりにサーバーのルートフォルダを追加します。
  2. ウィザードの[Storage]ステップで、そのジョブを、ステップ2で変換したバックアップにマップします。
  1. バックアップを変換したファイル共有を保護するファイル共有バックアップジョブを有効にします。これを行うには、[Home]ビュー内のインベントリペインの[Jobs]ノードで目的のジョブを右クリックし、[Disable]を選択解除します。別の方法としては、リボン上の[Disable]をクリックすることもできます。