アプリケーション認識処理
トランザクションレベルの整合性のあるバックアップ、つまりMicrosoft Active Directory、Microsoft SQL Server、Microsoft SharePoint、Microsoft Exchange、またはOracleなどを実行するVMのレプリカを作成するには、アプリケーション認識処理をジョブ設定で有効にする必要があります。
アプリケーション認識処理とは、Microsoft VSSに基づいたVeeamの技術です。Microsoft VSSは、VM上でのアプリケーションの静止点作成およびVMゲストOS上でのアプリケーションデータの一貫性のあるビューの作成を担っています。Microsoft VSSを使用すると、Veeam Backup & ReplicationによってVMスナップショットがトリガーされ、ターゲットへのVMデータのコピーが開始されるときに、完了していないデータベーストランザクションや不完全なアプリケーションファイルが確実に存在しないようにできます。Microsoft VSSの詳細については、Microsoftのドキュメントを参照してください。
アプリケーション認識処理は、Windows Vista以降のMicrosoft Windowsクライアントバージョン、およびWindows Server 2008以降のサーバーバージョンでサポートされています。アプリケーション認識処理を使用するには、VMwareツールと最新のアップデートがVMゲストOSにインストールされている必要があります。
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VMでMicrosoft VSSをサポートしないアプリケーションを実行した場合(MySQLなど、特定のタイプのアプリケーションにはVSSライターがありません)、Veeam Backup & Replicationでは、Microsoft VSSおよびこのVM用のアプリケーションを認識した処理を使用することはできません。このようなVMを処理するために、VMwareツールの静止点作成機能をプレスクリプトおよびポストスクリプトで使用できます。詳細については、「VMware Toolsの静止点作成機能」および「プレスクリプトおよびポストスクリプト」を参照してください。 |
アプリケーション認識処理のしくみ
ジョブ設定でアプリケーション認識処理を有効にした場合、Veeam Backup & Replicationはバックアップまたはレプリケーションのプロセスの一部として以下の操作を実行します。
- Veeam Backup & Replicationは、VMに非永続的実行時コンポーネント、 または必要な場合は永続的エージェントコンポーネントを導入し、VMでサポート対象アプリケーションのいずれかが実行されているかどうかを検出します。
- Veeam Backup & Replicationは、VMにインストールされているアプリケーションについて情報を収集します。この情報は、VSSを認識したリストアに必要です。
VMをバックアップからリストアした後、またはVMレプリカにフェイルオーバーした後にVMが起動されると、VSSを認識したリストアが実行されます。
- Veeam Backup & Replication は、VSSを認識したリストア用にアプリケーションを準備します。
- Microsoft VSSは特定の時点にアプリケーションと通信し、I/Oアクティビティを静止させます。
- Veeam Backup & ReplicationはVSSリクエスターとして動作し、VM VSSスナップショットをトリガーします。
- Veeam Backup & ReplicationはVMのVMware vSphereスナップショットをトリガーします。
- Microsoft VSSは、VMゲストOS上で静止されたI/Oアクティビティを再開します。
- ジョブセッションが通常通りに進行します。
- Veeam Backup & Replicationにトランザクション・ログを切り捨てるように指示した場合、バックアップまたはレプリカが正常に作成された後、Veeam Backup & ReplicationはVMゲストOS上でトランザクション・ログを切り捨てます。
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