トラフィックスロットリングの有効化
ネットワークルールでトラフィックスロットリングを設定すると、ネットワークパフォーマンスにVeeam Backup & Replicationタスクが与える影響を制限できます。トラフィックをスロットリングすると、ジョブが環境で利用可能な帯域幅の全体を利用できないようにすることで、他のネットワーク操作に十分なトラフィックを確保できます。
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トラフィックスロットリングはリストアタスクには適用されません。 |
同じネットワークルールに該当するジョブが同時に複数実行されている場合、Veeam Backup & Replicationは、スロットルされたトラフィックをこれらのタスクに均等に割り振ります。たとえば、一度に2つのジョブを実行している場合、ジョブ1つに対し、スロットルされたトラフィックが半分与えられます。1つのジョブが完了すると、もう1つのジョブに、ルールで設定された帯域幅全体が与えられます。
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次の点にご注意ください。
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インフラストラクチャのコンポーネント
トラフィックは、Veeamデータムーバーが展開されているバックアップインフラストラクチャのコンポーネント間でのみスロットリングできます。これらのコンポーネントは、データ保護シナリオによって異なります。次の表は、この依存性をまとめたものです。
シナリオ | コンポーネント |
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Microsoft WindowsまたはLinuxバックアップリポジトリへのバックアップ* | バックアッププロキシおよびバックアップリポジトリ |
SMB共有、Dell EMC Data Domain、およびHPE StoreOnceへのバックアップ* | バックアッププロキシおよびゲートウェイサーバー |
ソースおよびターゲットのVMware CDPプロキシ。 | |
バックアッププロキシとバックアップリポジトリ | |
ソースおよびターゲットのバックアップリポジトリ、ゲートウェイサーバー、またはWANアクセラレータ(これらがバックアップコピー処理に関わっている場合) | |
ソースおよびターゲットのバックアッププロキシまたはWANアクセラレータ(これらがレプリケーション処理に関わっている場合) | |
バックアップリポジトリとテープサーバー | |
GatewayサーバーとAmazon S3/Azureオブジェクトストレージ |
*Veeam Backup & Replicationは、バックアップがスタンドアロンモードまたは管理対象モードで動作するVeeam Agent for Microsoft WindowsまたはVeeam Agent for Linuxで作成されている場合にも、リストアップされたコンポーネント間のトラフィックをスロットリングします。
トラフィックスロットリングの構成
ルールでトラフィックスロットリングの設定を構成するには、次の手順を実行します。
- メインメニューで、[Network Traffic Rules]を選択します。
- [Global Network Traffic Rules]ウィンドウで、[Add]をクリックします。
- [Name]フィールドで、ルール名を指定します。
- [Source IP address range]セクションで、ソース側のバックアップインフラストラクチャコンポーネントに対して、IPアドレスの範囲を指定します。
- [Target IP address range]セクションで、ターゲット側のバックアップインフラストラクチャコンポーネントに対して、IPアドレスの範囲を指定します。
- [Throttle network traffic to]チェックボックスを選択します。
- [Throttle network traffic to]フィールドで、ソースからターゲットにデータを転送するために使用する最大の速度を指定します。
- [Throttle network traffic to]フィールドの下にあるセクションで、速度制限を行う期間を指定します。トラフィックは、常時スロットルすることもできますし、業務時間中など、特定の期間のみスロットルすることも可能です。
トラフィックスロットリングルールが複数ある場合
IPアドレス範囲が同じルールを複数作成する場合は、ルールの期間が重複しないように注意してください。たとえば、業務時間内および業務時間外のネットワークトラフィックを管理するために、次のようなルールを作成できます。これらのルールのIPアドレス範囲は同じです。
- ルール1。制限速度:1 Mbps、時間間隔:月曜日から金曜日の午前7時から午後7時まで。
- ルール2。制限速度:10 Mbps、時間間隔:土曜日から日曜日の午前7時から午後7時まで。
このようなルールが設定されている場合、Veeam Backup & Replicationは、業務時間中の速度を最高1 Mbpsに制限し、それ以外の時間は制限を10 Mbpsにします。
複数のルールのターゲット/ソースIPアドレス範囲は同じだが、制限速度が異なる場合、最も低い制限値が使用されます。たとえば、次のようなルールが構成されているとします。
- ルール1。ソースIP範囲:192.168.0.1〜192.168.0.30、ターゲットIP範囲:192.168.0.1〜192.168.0.255、制限速度:4 Mbps。
- ルール2。ソースIP範囲:192.168.0.1〜192.168.0.255、ターゲットIP範囲:192.168.0.1〜192.168.0.255、制限速度:1 Mbps。
この場合、Veeam Backup & Replicationでは、最も低い制限速度の1 Mbpsが使用されます。
このルールは、トラフィックがVeeam Backup & ReplicationとVeeam Agent for Microsoft Windowsによってスロットリングされている場合にも適用されます。Veeam Agent for Microsoft Windowsでトラフィックをスロットリングする方法の詳細については、『Veeam Agent管理ガイド』と『Veeam Agent for Microsoft Windowsユーザーガイド』を参照してください。