ゲートウェイ サーバー
ゲートウェイサーバーとは、バックアップサーバーとバックアップリポジトリを橋渡しする補助バックアップインフラストラクチャコンポーネントのことです。ゲートウェイサーバーは、次のタイプのバックアップリポジトリをバックアップインフラストラクチャに展開する場合に必要となります。
このようなバックアップリポジトリでは、Veeamデータムーバー、つまりバックアッププロキシとバックアップリポジトリの間(バックアップジョブの場合)またはバックアップリポジトリ間(バックアップコピージョブの場合)の通信を確立するVeeamコンポーネントをホスティングすることができません。この制限に対応するため、Veeam Backup & Replicationではゲートウェイサーバーを使用します。
バックアップインフラストラクチャでは、ゲートウェイサーバーによりターゲットVeeamデータムーバーサービスがホスティングされます。Veeam Backup & Replicationでは、ゲートウェイサーバーを通してソースVeeamデータムーバーサービスとターゲットVeeamデータムーバーサービスの間の接続が確立され、バックアップリポジトリとの間のデータ送信が行われます。
ゲートウェイサーバーの展開
バックアップインフラストラクチャに追加したMicrosoft Windowsマシンにゲートウェイサーバーのロールを割り当てることができます。ゲートウェイサーバーを設定するには、最初にNew Windows Serverウィザードを使用して、ゲートウェイサーバーとして使用するマシンをバックアップインフラストラクチャに追加する必要があります。その後、Add New Backup Repositoryウィザードを実行してゲートウェイサーバー設定を定義する必要があります。ゲートウェイサーバーは、明示的に選択することも、自動的に選択するようVeeam Backup & Replicationに指示することもできます。
ゲートウェイサーバーを明示的に選択した場合、Veeam Backup & Replicationは選択したマシンをゲートウェイサーバーとして使用し、このマシンに対して統合的な操作を行います。ゲートウェイサーバーのロールの割り当て先のマシンは、バックアップリポジトリにできるだけ近い場所に配置する必要があります。ただし、ソース側でデータ重複排除を行う重複削除ストレージアプライアンスを使用する場合、バックアッププロキシにより近い場所に配置されたマシンにゲートウェイサーバーのロールを割り当てることが妥当です。これにより、ネットワーク上のトラフィックの量を削減することができます。詳細については、「Dell EMC Data Domain」および「HPE StoreOnce」を参照してください。
ゲートウェイ・サーバーを自動的に選択するようVeeam Backup & Replicationに指示した場合、Veeam Backup & Replicationは次のバックアップ・インフラストラクチャ・コンポーネントを使用します。
ジョブのタイプ | ゲートウェイサーバーとして使用されるコンポーネント | 統合的な操作向けのゲートウェイサーバーとして使用されるコンポーネント |
---|---|---|
バックアップジョブ | バックアップジョブ用にVMデータを処理するための第1優先を割り当てられたバックアッププロキシ。* | 統合的な操作はバックアップリポジトリと関連付けられたマウントサーバー上で行われます。マウントサーバーにアクセスできない場合、Veeam Backup & Replicationはバックアップサーバーに切り替わります。 |
バックアップコピーのジョブ |
| 統合的な操作はバックアップリポジトリと関連付けられたマウントサーバー上で行われます。マウントサーバーにアクセスできない場合、Veeam Backup & Replicationはバックアップサーバーに切り替わります。 これらの規則はWANアクセラレータ上の処理と直接のデータパスに適用されます。 |
テープジョブ | バックアップリポジトリとテープデバイスの間に直接の接続がある場合、テープサーバーにゲートウェイサーバーのロールが割り当てられます。 それ以外の場合、バックアップサーバーにゲートウェイサーバーのロールが割り当てられます。 | 統合的な操作はバックアップリポジトリと関連付けられたマウントサーバー上で行われます。マウントサーバーにアクセスできない場合、Veeam Backup & Replicationはバックアップサーバーに切り替わります。 |
Veeam Agentのバックアップジョブ | バックアップサーバー | バックアップサーバーでは、統合的な操作が行われます。 |
Veeam Plug-in for Oracle RMAN / SAP HANA / SAP on Oracleによって作成されたバックアップジョブ | バックアップサーバー | — |
リストア操作 | リストア操作用に使用されるバックアッププロキシ* | — |
バックアップからのレプリケーション | レプリケーション操作用に割り当てられたターゲットバックアッププロキシ* | — |
* バックアッププロキシがLinuxマシンである場合、ゲートウェイサーバーのロールは、バックアップリポジトリに関連付けられたマウントサーバーに割り当てられます。マウントサーバーにアクセスできない場合、Veeam Backup & Replicationはバックアップサーバーに切り替わります。
ゲートウェイの自動選択を有効にすると、Veeam Backup & Replicationでは、バックアップジョブで1台または複数台のゲートウェイサーバーを使用してVMが処理される場合があります。ゲートウェイサーバーの台数は、以下のようにバックアップリポジトリ設定によって決まります。
- [Use per-machine backup files]オプションが無効である場合、Veeam Backup & Replicationでは、バックアップリポジトリ全体に対して1台のゲートウェイサーバーが選択されます。
- [Use per-machine backup files]オプションが有効である場合、Veeam Backup & Replicationでは、ジョブ内のVMごとに1台のゲートウェイサーバーが選択されます。
たとえば、バックアップジョブで2台のVMを処理するとします。このジョブでは、[Use per-machine backup files]オプションが有効化されたバックアップリポジトリが対象となります。この場合、Veeam Backup & Replicationでは、ジョブ内でVMを処理するために使用されたバックアッププロキシが検出されます。VMが2つの異なるバックアッププロキシによって処理された場合、Veeam Backup & Replicationではこれらのバックアッププロキシにゲートウェイサーバーのロールが割り当てられます。VMが同じバックアッププロキシによって処理された場合、Veeam Backup & Replicationでは、このバックアッププロキシにゲートウェイサーバーのロールが割り当てられ、ジョブ内の両方のVM用に使用されます。
スケールアウトバックアップリポジトリの場合、Veeam Backup & Replicationではエクステントごとに1台のゲートウェイサーバーが使用されます。ゲートウェイサーバーの選択の規則は上記の通りです。
ゲートウェイサーバーの要件
ゲートウェイサーバーのロールを実行するマシンは、次の要件を満たしている必要があります。
- ゲートウェイサーバーはMicrosoft WindowsまたはLinuxマシンで実行できます。。マシンは、システム要件を満たしている必要があります。詳細については、「システム要件」を参照してください。
- マシンを管理対象サーバーとして、Veeam Backup & Replicationコンソールに追加する必要があります。
- マシンからバックアップリポジトリである共有フォルダ、Dell EMC Data Domain、またはHPE StoreOnceにアクセスできなければなりません。
ゲートウェイサーバーの制限
ゲートウェイサーバーのロールを実行するマシンには、次の制限が適用されます。
- ファイバーチャネル経由で動作する重複排除ストレージアプライアンスの場合、アプライアンスと通信するゲートウェイサーバーを明示的に選択する必要があります。ゲートウェイサーバーとして、バックアップインフラストラクチャに追加されていて、ファイバーチャネルを経由してアプライアンスにアクセスできるMicrosoft Windowsマシンを使用する必要があります。
- HPE StoreOnceの重複排除ストレージアプライアンスでは、ゲートウェアサーバーのロールを64ビットマシンへ割り当てる必要があります。
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