ファイル共有バックアップのしくみ
このセクションでは、次のことを説明します。
Veeam Backup & Replicationでは、以下のように、バックアップストレージへのファイル共有バックアップを実行します。
- 新しいバックアップジョブセッションが始まると、Veeam Backup & Replicationは、ファイル共有データを処理するファイルプロキシを割り当てます。
- ファイルプロキシが、ファイル共有にあるファイルとフォルダを列挙し、巡回冗長検査(CRC)ツリーを作成します。
- ファイルプロキシが、CRCツリーをキャッシュリポジトリへ転送します。
- キャッシュリポジトリがCRCツリーを保存します。
データパッケージには、バックアップデータファイル(1つ64 Mb)と、バックアップファイルの名前とバージョン、およびバックアップファイル内のデータ割り当てを含むメタデータファイルが含まれます。
バックアップリポジトリとアーカイブリポジトリの構成に応じていくつかのバックアップ保持シナリオが考えられます。以下に、さまざまな設定でのNASバックアップ保持の例を示します。
1つのファイルバージョンのみが作成されます。そのファイルは変更されません。
ファイルバージョン1はバックアップリポジトリに残り、アーカイブリポジトリが有効化され構成されている場合でもアーカイブリポジトリに移動されることはありません。
バックアップリポジトリでの保持が5日に設定されています。アーカイブリポジトリは構成されていません。ファイルに対する変更は1日1回です。バックアップは1日1回実行されます。
6日目に、ファイルバージョン6がバックアップリポジトリに追加され、ファイルバージョン1が保持によって削除されます。
バックアップリポジトリでの保持が3日に設定されています。ファイルに対する変更は1時間ごとです。バックアップは1日2回実行されます。
4日目に、バージョン7および8がバックアップリポジトリに追加され、1日目にバックアップリポジトリに追加されたファイルバージョン1および2が保持によって削除されます。
バックアップリポジトリでの保持が3日に設定されています。ファイルに対する変更は1日1回です。
3日目に、ソースファイルがソース共有から削除され、バックアップリポジトリでは、この日に作成されたファイルバージョンが削除済みと見なされます。
4日目に、バックアップリポジトリでまだそのファイルが削除済みとして検出され、ファイルバージョン1が保持によってバックアップリポジトリから削除されます。
5日目に、バックアップリポジトリでまだそのファイルが削除済みとして検出され、ファイルバージョン2が保持によってバックアップリポジトリから削除されます。
従って、このファイルのファイルバージョンはもうバックアップリポジトリに保存されていません。
バックアップリポジトリでの保持が5日に設定されています。アーカイブリポジトリがデフォルト設定で有効になっています。ファイルに対する変更は毎日行われます。バックアップは1日1回実行されます。
6日目に、ファイルバージョン6がバックアップリポジトリに追加され、ファイルバージョン1が保持によってアーカイブリポジトリに移動されます。
10日目と11日目に、ファイルバージョン6および7が続けてバックアップリポジトリからアーカイブリポジトリに移動されます。ファイルバージョン4および5がアーカイブリポジトリから削除されます。