考慮事項と制限事項
このセクションでは、オブジェクトストレージリポジトリの考慮事項と既知の制限事項を示します。
全体的な考慮事項と制限事項
- 「使用ポート」の説明に従って、オブジェクトストレージリポジトリとの通信に必要なポートが開いていることを確認してください。
- バックアップデータがオブジェクトストレージにオフロードされ、アプライアンスに直接保存されることがなくなった場合、ファイラモード(CIFS/NFS)またはブロックデバイスモード(iSCSI/FC/SAS)でバックアップデータを保存するために使用されるオブジェクトストレージゲートウェイアプライアンスはサポートされません。
このようなゲートウェイアプライアンスは、次の場合のみサポートされます。
- バックアップデータがすべてまとめてアプライアンスに保存され(つまり、バックアップチェーンが複数のデバイスに分散するのではなく、全体がまとめてこのアプライアンスに保存され)、バックアップデータの追加コピーだけが、オブジェクトストレージに転送されます。
- これらのアプライアンスが、テープシステム(VTL)を、Veeam Backup & Replicationのアクセスプロトコルとしてエミュレートしていること。
- オブジェクトストレージバケット/コンテナ内のデータは、Veeam Backup & Replicationのみで管理する必要があります。これには、保持やデータマネジメントも含まれます。ライフサイクルルールの有効化はサポートされていません。有効にした場合、バックアップやリストアに失敗することがあります。
- メタデータを減らすために、スケールアウトバックアップリポジトリ1つに対して1つのバケットを使用してください。1つのバケット内で複数のスケールアウトバックアップリポジトリに対してフォルダを作成すると、処理が遅くなります。これは、オブジェクトストレージ内のメタデータ操作はバケット単位で処理されるためです。
- データをテープデバイスまたはその他の シーケンシャルストレージデバイス にオフロードするオブジェクトストレージシステムは、スケールアウトバックアップリポジトリにアーカイブ層として追加された場合にのみサポートされます。
- 正常性確認によって破損しているとマークされたバックアップファイルがバックアップチェーンに含まれている場合、そのような破損ファイルは、その後続のすべてのファイルも併せて、オフロードされることはありません。そのようなシナリオでは、破損バックアップがあるバックアップチェーンの後に続くフルバックアップファイルからのみ、オフロードが可能です。
- 同じクラウドフォルダにマップされている異なるオブジェクトストレージリポジトリは、キャパシティ層バックアップとNASバックアップのどちらの保存にも使用できます。
重要 |
(同じクラウドフォルダにマップされている)同じオブジェクトストレージリポジトリは、同じ目的で複数のVeeam Backup & Replicationサーバーに使用しないでください。システムが予想外の挙動をしたり、データ消失に繋がったりします。 同じ理由で、同じクラウドフォルダにマップされている2つのオブジェクトストレージリポジトリを、1つのVeeam Backup & Replicationサーバー内の異なるスケールアウトバックアップリポジトリに追加しないでください。 |
- 次のすべての条件に当てはまる場合、スケールアウトバックアップリポジトリ内では、パフォーマンスエクステントのマウントサーバーはキャパシティエクステントのゲートウェイサーバーとして機能します。
- スケールアウトバックアップリポジトリのパフォーマンスエクステントとして、SMB共有/NFS共有/重複排除ストレージアプライアンスを使用している。
- New backup repositoryウィザードの[Specify Shared Folder Settings]ステップで、ゲートウェイサーバーに[Automatic selection]を選択した。
- キャパシティエクステントとして使用するオブジェクトストレージについて、New object storage repositoryウィザードの[Specify Object Storage Account]ステップで、[Use the following gateway server]チェックボックスを選択していない。
AmazonおよびS3互換オブジェクトストレージの制限事項
- AWSS3オペレーションおよびAWSS3署名バージョン4標準と完全に互換性のあるS3互換のオブジェクトストレージデバイスを必ず追加してください。
- [Amazon S3の場合] Standard、Standard-IA、およびOne Zone -IAストレージクラスのみサポートされています。Amazon S3ストレージクラスの詳細については、こちらのAmazonの記事を参照してください。
Microsoft Azureオブジェクトストレージの制限事項
- Azureオブジェクトレベルの不変性は、Veeam Backup & Replicationではサポートされていません。Azureでは、アカウントレベルまたはコンテナーレベルの不変性ポリシーを設定できます。これらは、オブジェクトレベルの不変性によってオーバーライドできます。 Veeam Backup & Replicationは現在、これらの機能をサポートしていません。この機能を有効にしないでください。データが大幅に失われる可能性があります。
- Microsoft Azure Blob Storageの場合、Veeam Backup & Replicationは、特定の種類のストレージアカウントとストレージ層をサポートします。詳細については、「Microsoft Azureストレージアカウント」を参照してください。
- 現在、Veeam Backup & Replicationでは、Microsoft Azureオブジェクトストレージのバージョニング機能はサポートされていません。Blobのバージョン管理が有効になっているアカウントを使用する予定の場合は、保持ポリシーによって削除されたオブジェクトを保存するのに、追加コストが発生する可能性があることに注意してください。
- [MicrosoftAzureアーカイブストレージの場合]MicrosoftAzureには、使用されるリソースの最大量に一定の制限(クォータ)があります。割り当ては、選択したプロキシの種類によって異なります。クォータを使い果たすと、MicrosoftAzureアーカイブストレージを使用できなくなります。Microsoft Azureのクォータの詳細については、こちらのMicrosoftの記事を参照してください。
- [Microsoft AzureArchiveストレージおよびAzureBlobストレージの場合]ソフト削除はVeeam Backup & Replicationではサポートされていません。
Google Cloudオブジェクトストレージの制限事項
現在、Veeam Backup & Replicationでは、Google Cloudオブジェクトストレージのオブジェクトのバージョニング機能とバケットロック機能はサポートされていません。
重要 |
バケットで、どちらか、または両方の機能を有効にすると、システムが予想外の挙動をしたり、データ消失に繋がったりするおそれがあります。また、保持ポリシーによって削除されたオブジェクトを保存するのに、追加コストが発生する可能性があります。 詳細については、オブジェクトのバージョニング とバケットロックに関するGoogleの記事を参照してください。 |
IBM Cloud Object Storageの制限事項
- IBM Cloud Object Storageのオンプレミスの場合、Veeam Backup & Replicationは、3.15.0.44以降のバージョンをサポートしています。
- 現在、IBM Cloudオブジェクト・ストレージでは、標準ストレージ・クラスのみがサポートされています。
- オブジェクトロック を有効にしてS3バケットを作成したら、デフォルトの保持が無効になっていることを確認します。このためには、 AWSのドキュメントの説明に従ってオブジェクトロックの保持設定を編集します。
デフォルト保持を使用すると、システムが予想外の挙動をしたり、データ消失が発生したりするおそれがあります。Veeam Backup & Replicationは、アップロードされた各オブジェクトに対して、[Compliance]オブジェクトロックモードを自動で使用することに注意してください。 詳細については、AWSのドキュメントを参照してください。
- Veeam Backup & Replication に追加されたバケットでは、バージョン管理とオブジェクトロックを有効または無効にしないでください。予期しないシステム動作やデータ損失が発生する可能性があります。
- 9.5 Update 4で作成されたバックアップが含まれる既存のS3バケットでイミュータビリティ機能を使用する予定の場合、イミュータビリティ機能を有効にする直前に、 バージョニングとオブジェクトロックの両方をバケットで同時に有効にしておく必要があることに注意してください。これ以外の方法だと、バックアップのオフロードに失敗し、バケット内のバックアップと正常なやりとりができなくなります。
- イミュータビリティ機能は、キャパシティ層とアーカイブ層 バックアップに適用できます。NASバックアップはサポートしていません。
- 変更不可のデータは、「ブロックジェネレーション」で説明されている通りに保持されます(キャパシティ層のみに適用)。
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