トランザクションログのバックアップの統計
トランザクション・ログのバックアップ・ジョブの統計は、Veeam Backup & Replicationの[History]ビューまたは[Home]ビューで表示できます。
統計ウィンドウでは、トランザクションログのバックアップジョブに関する全体的な統計を確認したり、VMごとの情報を表示したりすることができます。
Veeam Backup & Replicationでは統計ウィンドウの上部に、バックアップの親ジョブに含まれるすべてのVMのトランザクション・ログのバックアップ・ジョブに関する情報が表示されます。
[Last period (all VMs)]セクションには、バックアップジョブの選択したセッションに関する統計データが表示されます。
[Databases]列には、次の情報が表示されます。
- Protected — 最後のセッション中に1回以上バックアップされたデータベースの数
- Unprotected — 最後のセッション中にバックアップに失敗したデータベースの数
- Excluded — 処理の対象外のデータベース。データベースが除外される理由としては、
- データベースのステータスがOfflineである。
- データベースの復元モデルがSimpleに設定されている。
- データベースが読み取り専用である。
- データベースは、最後のフルバックアップ後に削除された。
- データベースのAutoCloseプロパティが有効化されている。
- データベースが、アプリケーション認識処理から除外された。詳細については、このVeeamナレッジベースの記事を参照してください。
- データベースが、SQLログバックアップ処理から除外された。詳細については、このVeeamナレッジベースの記事を参照してください。
- データベースがvCenter Serverに属している。詳細については、このVeeamナレッジベースの記事を参照してください。
注 |
保護されていないデータベースは処理されない理由が異なるため、Excludedのデータベースには含まれません。 |
[RPO]列には、次の情報が表示されます。
- SLA値 — ログのバックアップが正常に行われて時間内に完了したログのバックアップ間隔数(間隔の合計数の割合(%)として算出)。
- Misses — いくつの間隔が実行されなかったか(間隔数)。
- Max delay — 設定されたログのバックアップ間隔と、ログのバックアップに実際にかかった時間の差。超過した場合は、警告が発行されます。
[Status]列には、正常に処理されたVM数のほか、警告やエラーの情報がジョブごとに表示されます。
[Latest session]セクションには、選択したVMの最新のログ処理間隔に関する次の情報が表示されます。
- Duration — 現在のログ処理間隔が開始されてから、VMゲストOSからバックアップリポジトリにログが転送されるのにかかった時間
- Bottleneck — 最後に完了した間隔において最も時間がかかった操作。操作には次のようなボトルネックがあります。
表示名 | 低速の操作 |
---|---|
ログバックアップ | BAKファイルをVMゲストOSの一時ロケーションに保存 |
ネットワーク | ログファイルをログ転送サーバーにアップロード |
ターゲット | ファイルをターゲットリポジトリに保存 |
- Read —VMゲストOSの一時フォルダから読み取られたデータ量
- Transferred — ターゲットリポジトリに転送されたデータ量
[Last period]セクションには、トランザクションログのバックアップジョブの最新セッションにおける、ログのバックアップ(VMごと)に関する次の統計が表示されます。
- [RPO]列には、ログ処理間隔(上記の方法で算出)についての統計が表示されます。
- [Sessions]列には、次の方法で算出されたログのバックアップ(VMごと)に関する統計が含まれます。
- Success — データベースのすべてのログが正常にバックアップされた場合の間隔数
- Warning — ログ処理に失敗した一連の間隔数(間隔が連続4回以下の場合)
- Errors — ログ処理に失敗した一連の間隔数(間隔が連続5回以上の場合)
- [Duration]列には次の情報が含まれます。
- Average — ログデータの転送にかかった平均時間(セッションのすべての間隔を通して)
- Max — ログデータの転送にかかった最長時間(セッションのすべての間隔を通して)
- Sync interval — 親ジョブの設定でログのバックアップに指定された定期的な間隔の時間(デフォルトでは15分ごと)
- [Log size]列には次の情報が表示されます。
- Average —すべての間隔を通して、VMゲストOSから読み取られたデータの平均量
- Max — すべての15分の間隔において、VMゲストOSから読み取られたデータの最大量
- Total — バックアップリポジトリに書き込まれたデータの合計量
注 |
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ログファイル
SQL Serverのバックアップジョブ(親)が開始されるたびに、ログのバックアップをリポジトリに格納するための新しい.VLBファイルが作成されます。
- リポジトリに対して[Use per-machine backup files]オプションを選択すると、Veeam Backup & Replicationは、ジョブによって処理されるサーバーごとに個別の.VLBファイルを作成します。
- このオプションを選択しない場合は、ジョブによって処理されるすべてのサーバーに対してVLBファイルが1つ作成されます。
たとえば、ジョブによって処理されるSQL Serverが1つだけの場合、リポジトリにはこのSQL Server用の.VLBファイルが多数含まれます(いわゆる「チェーン」)。
上記セクションで説明したように、データベースログのバックアップ(子)ジョブセッション中に、トランザクションログのバックアップはSQL Serverによってネイティブに実行され、SQL ServerのVMゲストファイルシステムの一時フォルダに.BAKファイルとして保存されます。次に、Veeam Backup & Replicationは.BAKファイルをリポジトリ内の現在の.VLBファイルにコピーします。新しい親ジョブセッションが始まると別の.VLBファイルが作成され、その後現れた.BAKファイルは子ジョブセッションの間.VLBファイルに保存されます。その結果生成された.VLBファイルのチェーンは、1つのSQL Server VM1について表した以下の図のようになります。
ある時点ですべての.VLBファイルに保存されているLOG<N>.BAKファイルの合計数は、データベースのログをバックアップする子ジョブのリストアポイント数として報告されます。このため、上の例では、SQL Server VM1のログのバックアップジョブによって現時点で8つのリストアポイントが作成されたことになります。
ログのバックアップジョブのリストアポイント数については、Veeam Backup & Replicationコンソールのプレビューペインで[Restore Points]列を確認します。