転送モード
転送モードは、VeeamデータムーバーがソースからVMデータを取得し、ターゲットにVMデータを書き込むために使用する方法です。転送モードによって、ジョブの効率性とジョブ完了までの時間が大きく異なります。
Veeam Backup & Replicationでは、データの取得に次のモードを使用できます(効率的な順に記載)。
データ取得を行うVeeamデータムーバーは、バックアッププロキシで動作します。また、転送モードは、ジョブを実行するバックアッププロキシの設定で定義できます。
バックアッププロキシの設定を行う場合は、転送モードを手動で選択するか、Veeam Backup & Replicationで最適なモードを自動的に選択します。モードの自動選択を使用すると、Veeam Backup & Replicationによって、バックアップ・プロキシの設定およびVMware vSphereインフラストラクチャへの接続がスキャンされて、最適なトランスポート・モードが選択されます。1つのバックアップ・プロキシに複数のトランスポート・モードが使用可能な場合、Veeam Backup & Replicationでは、ダイレクト・ストレージ・アクセス>仮想アプライアンス>ネットワークの順にモードが選択されます。
選択された転送モードは、データの取得に使用されます。ターゲットへのデータの書き込みについては、Veeam Backup & Replicationでは、バックアップ・プロキシの設定とトランスポート・モードの制限に基づいて、トランスポート・モードが自動的に選択されます。
Veeam Backup & Replicationでは、ストレージスナップショットからのバックアップ、Direct NFS転送モード、仮想アプライアンス転送モード以外のすべての転送モードで、VMware vStorage APIs for Data Protection(VADP)を使用します。VADPは、VMware vSphereバージョン4以降で使用できます。
各転送モードの適用性と効率性は、主にソースホストで使用されるデータストアの種類(ローカルまたは共有)と、バックアッププロキシの種類(物理または仮想)によって異なります。次の表に、バックアッププロキシのインストールに関する推奨事項を、ストレージの種類と望ましい転送モードごとにまとめています。
本番ストレージの種類 | ダイレクトストレージアクセス | 仮想アプライアンス | ネットワークモード |
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ファイバーチャネル(FC)SAN | SANへのダイレクトFCアクセスを行う物理サーバーにバックアッププロキシをインストールします。 | ストレージデバイスに接続されたESXiホストで動作するVMに、バックアッププロキシをインストールします。 | このモードは1ギガビットイーサネットでは推奨されませんが、10ギガビットイーサネットでは適切に機能します。 ストレージネットワークの任意のマシンにバックアッププロキシをインストールします。 |
iSCSI SAN | 物理マシンまたは仮想マシンにバックアッププロキシをインストールします。 | ||
NFSストレージ | |||
vSAN | サポートされていません。 | VSANストレージデバイスに接続されたESXiホストで動作するVMに、バックアッププロキシをインストールします。 | |
VVol | VVolストレージに接続されたESXiホストで動作するVMに、バックアッププロキシをインストールします。 | ||
ローカルストレージ | 各ESXiホストのVMにバックアッププロキシをインストールします。 |
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VMware Cloud on AWSを使用している場合は、利用できる転送モードは仮想アプライアンスのみです。VSANストレージデバイスに接続されたESXiホストで動作するVMに、バックアッププロキシをインストールすることをお勧めします。 |