ストレージシステムとのNASバックアップ統合
エンタープライズNASストレージシステム上に格納されているファイル共有をバックアップする手法は2つあります。
NFSまたはSMBファイル共有サーバーとしてのストレージシステムとの統合
NFSファイル共有またはSMBファイル共有が格納されているサーバーのルートフォルダとしてストレージシステムを追加できます。この場合のファイル共有保護の構成手順は、次のようになります。
- ストレージシステムを、「NFSファイル共有の追加」の説明に従ってNFSファイル共有として、または「SMBファイル共有の追加」の説明に従ってSMBファイル共有としてインベントリに追加します。ファイル共有のパスとして、ルートサーバーフォルダを指定します。
この方法でストレージシステムを追加した場合は、保護対象として利用できるコンテナ、ボリューム、またはファイル共有を構成することはできません。そのため、それらを構成するには、ファイル共有バックアップジョブの作成時に包含/除外設定を慎重に行う必要があります。
NFS(それらにファイル共有およびフォルダが含まれている)がアクセスするサーバー、およびSMB(それらにファイル共有およびフォルダが含まれている)がアクセスするサーバーがインベントリに個別に追加されることに留意してください。たとえば、ストレージシステムのIPアドレスが173.25.136.64である場合は、このサーバーのNFS共有をそのルートフォルダを173.25.136.64:/と指定して追加し、このサーバーのSMB共有をそのルートフォルダを\\173.25.136.64と指定して追加します。
- 「ファイル共有バックアップジョブの作成」の説明に従って、ファイル共有バックアップジョブを作成します。保護するソースとして、以下のエンティティを選択できます。
- サーバー全体
- サーバー上に格納されているファイル共有
- 共有内の個別のフォルダ
あるサーバー上に格納されているすべてのファイル共有を保護するには、以前にインベントリに追加したNFS共有とSMB共有を両方ともファイル共有バックアップジョブに追加する必要があります。
- ファイル共有バックアップジョブによる処理の対象または対象外にするファイルおよびフォルダを構成します。ファイルおよびフォルダを処理に含める方法または処理から除外する方法の詳細については、「バックアップするファイルとフォルダの選択」を参照してください。
NASファイラーとしてのストレージシステムとの統合
ストレージシステムをNASファイラーとして追加できます。このオプションは、NASの製造業者が提供しているファイル変更追跡テクノロジーを利用する予定の場合に適しています。 ファイル変更追跡の詳細については、「ストレージスナップショットからのNASファイル共有のバックアップ」を参照してください。
注 |
エンタープライズストレージシステム上に格納されているNFSファイル共有およびSMBファイル共有をこれまで保護しており、ファイル共有としてインベントリに追加してあったが、NASファイラーの利点を使ってそれらを保護するようにしたい場合は、既存のSMB共有またはNFS共有を対象として作成されたバックアップをNASファイラー共有の形式に変換できます。詳細については、「SMB共有またはNFS共有からNASファイラー共有へのバックアップの変換」を参照してください。 |
この場合のファイル共有保護の構成手順は、次のようになります。
- バックアップインフラストラクチャにストレージシステムを追加します。詳細については、ご使用のNASシステムのタイプに応じて 「NetApp Data ONTAPの追加」、「Lenovo ThinkSystem DMシリーズの追加」、または「Dell EMC Isilonの追加」を参照してください。
ストレージ設定によっては、ストレージシステムへのアクセスのためのIPアドレスが、ファイル共有が格納されているサーバーとしてそれにアクセスする場合に使用するIPアドレスと異なる場合があります。サーバーのDNS名を使用することもできます。
ストレージシステムを追加するときには、必ず以下のステップを実行してください。
- 追加したストレージシステムに対してNASファイラーロールを有効にします。
- NASファイラーとしてストレージが使用する必要があるプロトコル(NFSまたはSMB、またはその両方)を指定します。ストレージをNASファイラーとして追加したときには、選択したプロトコルを使用するファイル共有のみが表示され、従って、保護対象となります。
- 新規追加されたファイル共有の有無を分析するストレージボリュームを選択します。Veeam Backup & Replicationに対して、すべてのストレージボリュームを分析するように構成するか、一部のボリュームを処理から除外するように構成するか、あるいは、処理対象として特定のボリュームのみを指定することができます。ストレージをNASファイラーとして追加したときには、選択したストレージボリューム上のファイル共有のみが表示され、従って、保護対象となります。
このステップでは、どのボリューム上のどのファイル共有を、どのプロトコルを介して保護するかを慎重に検討する必要があります。ボリュームの数を制限すると、ストレージの負荷が軽減されます。
- 「エンタープライズNASシステムの共有の追加」の説明に従って、構成したストレージシステムをNASファイラーとしてインベントリに追加します。
- 「ファイル共有バックアップジョブの作成」の説明に従って、ファイル共有バックアップジョブを作成します。保護するソースとして、以下のエンティティを選択できます。
- ストレージ全体
- コンテナ(Dell EMC Isilonの場合 — アクセスゾーン、NetApp Data ONTAPの場合 — SVM)
- ボリューム
- ファイル共有
ファイル共有内の個別のフォルダを指定することはできません。そのため、保護するファイルおよびフォルダを構成するには、正しく包含/除外設定を行う必要があります。
- ファイル共有バックアップジョブによる処理の対象または対象外にするファイルおよびフォルダを構成します。ファイルおよびフォルダを処理に含める方法または処理から除外する方法の詳細については、「バックアップするファイルとフォルダの選択」を参照してください。