バックアッププロキシ
バックアッププロキシとは、バックアップサーバーとバックアップインフラストラクチャのその他のコンポーネントとの間に存在するアーキテクチャコンポーネントです。バックアップサーバーがタスクを管理する間、プロキシはジョブを処理し、バックアップトラフィックを配信します。
バックアッププロキシの基本的なタスクは以下の通りです。
- 本番ストレージからのVMデータの取得
- 圧縮
- 重複排除
- 暗号化
- バックアップリポジトリ(たとえば、バックアップジョブを実行する場合)または別のバックアッププロキシ(たとえば、レプリケーションジョブを実行する場合)への送信
バックアッププロキシの転送モード
バックアップアーキテクチャに応じて、バックアッププロキシでは次のデータ転送モードのいずれかを使用できます。
- ダイレクトストレージアクセス
- 仮想アプライアンス
- ネットワーク
VMディスクがストレージ・システム上に位置し、そのストレージ・システムがVeeam Backup & Replicationコンソールに追加されている場合、バックアップ・プロキシはストレージ・スナップショットからのバックアップ・モードも使用できます。
転送モードを明示的に選択することも、Veeam Backup & Replicationにモードを自動的に選択させることもできます。詳細については、「転送モード」 および「ストレージスナップショットのバックアッププロキシの構成」を参照してください。
バックアッププロキシの導入
デフォルトでは、プロキシのロールはバックアップサーバー自体に割り当てられます。ただし、これで足りるのは、トラフィックの負荷が低い小規模のインストールの場合だけです。大規模なインストールの場合は、専用のバックアッププロキシを導入することをお勧めします。
複数の同時ジョブのパフォーマンスを最適化するため、いくつかのバックアッププロキシを使用できます。この場合、Veeam Backup & Replicationでは利用可能なバックアップ・プロキシ間でバックアップ・ワークロードを分散します。バックアッププロキシは、プライマリサイトおよびリモートサイトの両方に導入できます。
プロキシを導入するには、WindowsベースまたはLinuxベースのサーバーをVeeam Backup & Replicationに追加し、追加したサーバーにバックアッププロキシのロールを割り当てる必要があります。バックアッププロキシに関連する要件と制限事項については、「バックアッププロキシに関する要件と制限事項」を参照してください。
バックアッププロキシのサービスとコンポーネント
バックアッププロキシは、数秒で導入できる軽量のサービスを実行します。導入は完全に自動化されています。Veeam Backup & Replicationでは以下のコンポーネントとサービスをインストールします。
- Veeam Installer Serviceは、いったんVeeam Backup & Replicationコンソールで管理対象サーバーのリストに追加されると、Windowsサーバーにインストールされ、開始される補助サービスです。このサービスでは、システムを分析し、サーバーに選択されたロールに応じて必要なコンポーネントおよびサービスのインストールとアップグレードを行います。
- Veeamデータムーバーは、Veeam Backup & Replicationに代わってデータ処理タスクを実行するコンポーネントです。たとえば、ソースVMデータの取得、データの重複排除と圧縮の実行、およびターゲットストレージへのバックアップデータの保存などを行います。
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