計画済みフェイルオーバー
プライマリVMがオフラインに移行することがわかっている場合、事前にレプリカにワークロードを切り替えることができます。Planned Failoverとは、操作の中断を最小限にすることによりプライマリVMからレプリカにスムーズに手動で切り替えることです。Planned Failoverは、たとえばプライマリVMのデータセンターの移行、保守、またはソフトウェアのアップグレードを計画する場合に利用できます。また、プライマリサーバーをオフラインにすることが必要な災害の接近を事前に通知する場合にも計画フェイルオーバーを実行することができます。
計画済みフェールオーバーを開始すると、Veeam Backup & Replicationでは次のステップが実行されます。
- フェイルオーバープロセスによりレプリケーションジョブが開始され、増分レプリケーションが行われ、レプリケートされていない変更がレプリカにコピーされます。
- VMのゲストOSがシャットダウンされるか、VMの電源が切断されます。
VMware ToolsがVMにインストールされている場合、Veeam Backup & ReplicationはVMゲストOSをシャットダウンしようとします。15分経っても何も起こらない場合、Veeam Backup & ReplicationはVMの電源を切断します。VMware ToolsがVMにインストールされていないか、VMが一時停止されている場合、Veeam Backup & ReplicationはVMの電源を切断します。
- フェイルオーバープロセスによりレプリケーションジョブが開始され、別の増分レプリケーションが行われ、直前の変更部分がレプリカにコピーされます。レプリカがソースVMと完全に同期されます。
- VMがレプリカにフェイルオーバーされます。
- VMのレプリカの電源がオンになります。
この手順は現在のワークロードをレプリカに移すよう設計されているため、切り替えるリストアポイントの選択は提案されません。
計画済みフェールオーバー中に、Veeam Backup & Replicationでは後から削除されない2つのヘルパー・リストア・ポイントが作成されます。これらのリストアポイントはこのVM用のリストアポイントのリストに表示されます。後からこれらを使用して、必要なVMのレプリカ状態にロールバックすることができます。
再びプライマリホストがオンラインになれば、そちらに切り替えて戻すことができます。Planned Failoverの完了オプションは、計画に基づかないフェイルオーバーのオプションと同様で、フェイルオーバーの取り消し、永続フェイルオーバーまたはフェイルバックです。
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計画済みフェールオーバーの実行中、Veeam Backup & Replicationではレプリケーション・ジョブでデータ・ソースとしてバックアップが使用される場合でも、常に本番インフラストラクチャからVMデータが取得されます。このアプローチは、Veeam Backup & ReplicationがVMレプリカを本番VMの最新状態と同期するのに役立ちます。 |
Planned Failoverの制限
Planned Failoverには次の制限事項があります。
- 1つのレプリケーションジョブによってレプリケートされた複数のVMに対して計画フェイルオーバーを開始する場合、これらのVMは並列処理ではなく、順次処理されます。
- 各VMのためのそれぞれの計画フェイルオーバータスクは個別のレプリカジョブセッションとして処理されます。バックアッププロキシが利用できず、セッションがリソースを待たなければならない場合、現在のセッションが完了するまで同じタスク内の別のVMのジョブセッションを開始することはできません。
- 計画フェイルオーバー操作を開始するユーザーアカウントには、Veeam Backup & Replication内でVeeam Backup Administratorのロール、またはVeeam Backup OperatorおよびVeeam Restore Operatorのロールが必要です。詳細については、「ロールとユーザー」を参照してください。
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