フェイルオーバープラン
相互依存するアプリケーションを多数のVMで実行している場合、これらのVMを1台ずつまたはグループとしてフェイルオーバーする必要があります。この処理を自動化する場合は、フェイルオーバープランを準備します。
フェイルオーバープランでは、VMを処理する順序、およびVMの時間遅延を設定します。時間遅延とは、リスト内の次のVMのフェールオーバー操作を開始する前にVeeam Backup & Replicationが待機する時間間隔です。この時間遅延によって、DNSサーバーなどの一部のVMが、依存関係にあるVMの開始時に既に実行済みになっているようにします。時間遅延はフェイルオーバープランの各VMに対して設定しますが、リストの最後のVMは除きます。
フェイルオーバープランは事前に作成しておきます。プライマリVMグループがオフラインになったら、対応するフェイルオーバープランを手動で開始できます。手順の開始時に、最新の状態にフェイルオーバーするか、VMレプリカを起動する必要のある時点を選択できます。Veeam Backup & Replicationは、この時点のリストアポイントを探し、これらを使用してVMレプリカを起動します。ソースVMの電源はオフになりません。
フェイルオーバープロセスは次のように実行されます。
- Veeam Backup & ReplicationはVMごとにそのレプリカを検出します。レプリカが既に [ Failover]または[Failback]状態になっているVMは処理からスキップされます。
- フェイルオーバープランに表示されている順にレプリカVMが、設定された時間間隔内で起動します。
フェイルオーバープランの制限
フェイルオーバープランの実行時に同時に起動できるVMの最大数は10です。それ以上のVMをフェールオーバー計画に追加し、同時に起動するようにスケジューリングした場合、Veeam Backup & Replicationはリストの最初のVMがフェールオーバーされるまで待機し、次に、後に続くVMのフェールオーバー操作を開始します。この制限によって、本番インフラストラクチャとバックアップサーバー上のワークロードが軽減されます。
たとえば、14個のVMをフェールオーバー計画に追加し、同時に起動するようにスケジューリングした場合、Veeam Backup & Replicationはリストの最初のVM10個のフェールオーバー操作を開始します。 最初のVMが処理された後、Veeam Backup & Replicationはリストの11番目のVMのフェールオーバー操作を開始し、 次に12番目のVMをフェールオーバーするといったように、順に処理していきます。
フェイルオーバープランの確定
フェイルオーバーは、最終的な確定処理を必要とする一時的な中間ステップです。グループフェイルオーバーの確定オプションは、通常のフェイルオーバーと同じで、フェイルオーバーの取り消し、永続フェイルオーバー、またはフェイルバックがあります。
フェイルバックするか永続フェイルオーバーを実行する場合、それぞれのVMを個別に処理する必要があります。ただし、フェイルオーバーを取り消す場合、グループ全体を処理できます。このためには、フェイルオーバープランの取り消しオプションを使用します。
フェイルオーバーを取り消すと、レプリカがプライマリVMに戻り、レプリカの実行中に追加されたすべての変更が廃棄されます。グループ・フェールオーバーを取り消すと、Veeam Backup & Replicationは、最後のフェールオーバー計画のセッション中にフェールオーバーされたVMのリストを使って、これらのVMをプライマリVMに戻します。たとえば、ユーザーによってVMの一部が既に手動でフェイルバックされていた場合、これらは処理からスキップされます。
Veeam Backup & Replicationは、5個のVMからなるグループのフェールオーバーの取り消し操作を同時に開始します。操作開始の時間間隔は10秒です。たとえば、10個のVMをフェールオーバー・プランに追加した場合、Veeam Backup & Replicationはリストの最初の5個のVMのフェールオーバーを取り消してから10秒待機し、リストに残っている5個のVMのフェールオーバーを取り消します。操作開始の間隔を設けることで、Veeam Backup & Replicationは本番環境とバックアップ・サーバー上のワークロードを軽減します。
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