データ取得

データ取得は、アーカイブされたデータへの一時アクセス権を受け取るプロセスです。そのため、それをリストアできます。

取得ジョブがまだ完了していないときにリストアジョブを開始した場合、リストアジョブは取得ジョブが完了するまで保留になります。

取得ジョブが完了すると、取得したデータが一定期間利用可能になります。その間は、それをキャパシティ層にリストアできます。この利用可能期間は延長できます。

アーカイブ層からデータを取得するプロセスは、別のジョブセッションで進行します。それは、リストアポイントを読み取り可能でありリストアに使用可能なときに完了します。

取得ジョブの開始方法については、「バックアップファイルの取得」を参照してください。

取得コストは、求めるプロセス実行速度、およびデータを利用可能にする対象期間によって異なります。さまざまなベンダーのオプションについて、以下を参照してください。

Amazon S3 Glacierの取得オプション

Amazonでは、データ取得について以下のオプションが用意されています。示されている時間はおおよその時間です。詳細については、こちらのAmazonの記事を参照してください。

  • Expedited:最もコストの高い方法です。取得には1~5分かかります。

このオプションはGlacier Deep Archiveクラスに保存されているデータには使用できないということに注意してください。

以下の条件を満たしている場合は、バックアップファイルをGlacier Deep Archiveに保存できます。

  1. Adding Amazon S3 Glacierウィザードの[Specify Object Storage Settings]ステップで[Use Glacier Deep Archive for backups with the retention policy over 180 days]チェックボックスが選択されている。
  2. バックアップファイルの保持期間が180日以上。
  3. New Scale-Out Backup Repositoryウィザードの[Add Archive Tier]ステップで[Store archived backups as standalone fulls]チェックボックスが選択されていない場合、つまり、データブロックの再使用が許可されている場合、チェーン内のすべてのバックアップファイルは、Deep Archiveに保存された後は、Deep Archiveにも属すると見なされるようになります。
  • Standard:取得時間は、Amazon S3 Glacierの場合は3~5時間で、Amazon S3 Glacier Deep Archiveの場合は12時間以内です。
  • Bulk:最もコストの低い方法です。取得時間は、Amazon S3 Glacierの場合は5~12時間で、Amazon S3 Glacier Deep Archiveの場合は48時間以内です。

Amazon S3 Glacierの場合の取得データの有効期限

データの有効期限の推定時間は、データ取得が開始された時点から計算されます。必要な日数がその時点に追加されます。

ただし、取得ジョブの間には、ジョブが完了しすべてのデータブロックの準備ができるまで、Veeam Backup & Replicationによって絶えずS3 APIにその有効期限の延長が求められます。

推定有効期限の計算の詳細については、Amazonのこちらの記事を参照してください。

有効期限の延長方法については、「有効期限の延長」を参照してください。

Azure Archiveストレージの取得オプション

Azureでは、データ取得について以下のオプションが用意されています。示されている時間はおおよその時間です。詳細については、こちらのMicrosoftの記事を参照してください。

  • High Priority:最もコストの高い方法です。取得にかかる時間はおそらく1時間未満です。
  • Standard Priority:最もコストの低い方法です。取得には最長で15時間かかります。

Azure Archiveストレージの場合の取得データの有効期限

Amazon S3 Glacierとは異なり、Azure APIでは、バックアップファイルのストレージクラスがアーカイブ層からホットに一時的に変更されることはありません。かわりに、バックアップファイルの一時コピーがホットストレージクラス内に作成されます。この一時コピーの削除はVeeam Backup & Replicationによって管理されるため、その有効期限は非常に正確です(10分以内。これは削除プロセスの頻度です)。

有効期限の延長方法については、「有効期限の延長」を参照してください。

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