グローバルデータ重複排除

WANアクセラレーションの目的は、ネットワーク上で送信するデータを削減することです。WANを介して送信されるデータ量を削減するため、Veeam Backup & Replicationは、グローバルデータ重複排除のメカニズムを使用します。

  1. リモートロケーションへのジョブの初回実行時に、Veeam Backup & ReplicationはWANを介して送信されるデータブロックを分析します。
  2. リモートロケーションへのジョブの新しいサイクルごとに、Veeam Backup & Replicationはデータ冗長性アルゴリズムを使用して、コピーされたファイルで重複するデータブロックを検索します。Veeam Backup & Replicationはソース側のファイルのデータブロックを分析し、それらのデータブロックと、WANを介してこれまでに転送されたデータブロックを比較します。同一のデータ・ブロックが見つかると、Veeam Backup & Replicationは、そのデータ・ブロックを重複排除します。

その結果、一意のデータブロックのみがWANを介して送信されます。既に送信されたデータブロックは、送信されません。このようにして、Veeam Backup & Replicationは、WAN上の重複データの転送を排除します。

Veeam Backup & Replicationは、データ重複排除に、次の3つのソースを使用します。

  • VMディスク。Veeam Backup & Replicationは同じVMディスク内のデータブロックを分析します。同一のブロックが見つかった場合、重複するブロックが排除されます。
    たとえば、仮想化されたMicrosoft Exchangeサーバーの場合、通常は同じ電子メールが送信者の送信フォルダと受信者の受信フォルダに保存され、データブロックが重複します。リモートロケーションへのジョブが実行されると、Veeam Backup & Replicationは、そのようなVMのデータブロックを検知して、重複排除を実行します。
  • ターゲットリポジトリ上で処理されたVMのこれまでのリストアポイント。Veeam Backup & Replicationは、これからコピーされるリストアポイントと、ターゲット側で既に保存されているリストアポイントのデータを分析します。同一のブロックがターゲット側で見つかると、Veeam Backup & Replicationはコピーされたリストアポイントの重複するデータブロックを排除します。
  • グローバルキャッシュ。Veeam Backup & ReplicationはWAN上で繰り返し送信されるデータブロックを保持するグローバルキャッシュを作成します。新しいジョブ・セッションで、Veeam Backup & Replicationは、送信されるデータ・ブロックを分析し、そのデータ・ブロックとグローバル・キャッシュに保存されたデータ・ブロックを比較します。グローバルキャッシュに同一のデータブロックが既にある場合、ソース側で重複するデータブロックは排除され、WANを介して送信されません。

グローバルデータ重複排除 注:

次の点にご注意ください。

  • Veeam Backup & Replicationは、1つのVMディスクおよび1つのVMのリストア・ポイント内のデータ・ブロックのみを重複排除します。VMディスクと複数のVMのリストアポイント間での重複排除は、グローバルキャッシュによって、間接的に実行されます。詳細については、「WANグローバルキャッシュ」を参照してください。
  • ソース側とターゲット側の両方のWANアクセラレータが高帯域幅モードで動作している場合、グローバルデータの重複排除と同じVMディスク内の重複排除は行われません。