SureReplica のしくみ

SureReplicaは、VMレプリカの復元力をテストするためのVeeamのテクノロジーです。VMレプリカが適切に機能していることを保証するため、Veeam Backup & Replicationは「ライブ」検証を行います。Veeam Backup & Replicationは分離された環境で適切なリストアポイントからVMレプリカを自動的に起動し、VMレプリカに対するテストを実行してから電源をオフにして、VMレプリカの状態に関するレポートを作成します。

SureReplicaの技術では、vPowerエンジンを必要としません。VMレプリカは本来、VMをそのままコピーしたものに一連のリストアポイントを加えたものです。VMレプリカのデータは、VMwareにネイティブの解凍されたRaw形式で保存されます。したがって、仮想ラボでVMレプリカを開始するために、vPower NFSデータストア経由でESXiホストにデータを提示する必要はありません。Veeam Backup & Replicationは、復元検証のためにVMレプリカの設定を再構成し、このVMレプリカを分離された仮想ラボに接続して、電源をオンにします。

バックアップファイルからVMを公開する必要がないため、SureReplicaの処理は通常、SureBackupよりも短時間で行われます。その結果、U-AIRとOn-Demand Sandboxの操作も高速で行われます。

VMレプリカの検証時に、Veeam Backup & Replicationは次のアクションを実行します。

  1. Veeam Backup & Replicationは、VMレプリカに対してVMwareスナップショットをトリガーします。このスナップショットは、VMレプリカが動作中に変更されるのを防ぎます。VMレプリカに加えられた変更はすべてデルタファイルに書き込まれます。
  2. Veeam Backup & Replicationは仮想ラボでVMレプリカを起動します。
  3. Veeam Backup & Replicationは検証対象のVMレプリカに対してテストを実行します。
  4. 検証プロセスが完了すると、Veeam Backup & ReplicationはVMレプリカ・スナップショットのデルタ・ファイルを削除し、VMレプリカの電源をオフにして、VMレプリカの状態に関するレポートを作成します。このレポートはバックアップ管理者にメールで送信されます。

SureReplicaのしくみ 

SureReplicaのしくみ 注:

Veeam Backup & Replicationが検証するのは、Readyの状態のVMレプリカに限ります。VMレプリカがFailoverまたはFailbackの状態の場合、検証プロセスは失敗します。
VMレプリカを検証するときに、Veeam Backup & ReplicationはVMレプリカをSureBackupの状態にします。復元検証またはU-AIRプロセスが完了して、VMレプリカがReadyの状態に戻るまでは、SureBackupの状態のVMレプリカに対してフェイルバックやフェイルオーバーの操作を実行することはできません。

VMレプリカの検証を実行するには、次のオブジェクトを作成する必要があります。

  1. アプリケーショングループ。復元検証時に、VMレプリカは単独では起動されず、依存するVMとともに起動されます。VMレプリカを他のVMと連携して起動することで、VMレプリカ内で動作するアプリケーションの全機能が有効になるため、これらのアプリケーションを本番環境と同じように実行できます。
  2. 仮想ラボ。仮想ラボは、VMレプリカとアプリケーショングループのVMを起動してテストするための、分離された仮想環境です。
  3. SureBackupジョブ。SureBackupジョブは、VMレプリカ検証プロセスのタスクです。SureBackupジョブは手動で実行することも、スケジュールに従って自動的に実行されるようにスケジュールすることもできます。