レプリカシーディングおよびレプリカマッピング

レプリカシーディングおよびレプリカマッピングは、初期の同期時に送信されるトラフィック量を低減する上で役に立つ技術です。初期の同期の詳細については、「CDPのしくみ」を参照してください。

シーディングおよびマッピングは、次のシナリオで使用できます。

  • シーディング

災害復旧(DR)サイト内のバックアップリポジトリに、レプリケートする予定のVMのバックアップがある場合、レプリカシーディングを構成します。レプリケーション中、Veeam Backup & Replicationは、これらのバックアップからVMをリストアし、リストアしたVMの状態を元のVMの最新の状態と同期させます。次に、Veeam Backup & Replicationは、リストアしたこれらのVMをレプリカとして使用します。

レプリカの「シード」として使用できるバックアップを作成する方法の詳細については、「レプリカシードの作成」を参照してください。

  • マッピング

DRサイト内のホスト上にすぐに利用できる元のVMのコピーがある場合、レプリカマッピングを構成します。これらは、リストアされたVMである場合やその他のCDPポリシーによって作成されたレプリカである場合があります。Veeam Backup & Replicationは、すぐに利用できるこれらのVMの状態を元のVMの最新の状態と同期させ、これらのVMをレプリカとして使用します。

同じCDPポリシー内でレプリカシーディングとレプリカマッピングの両方を構成することもできます。たとえば、1つのポリシーに2つのVMが含まれる場合、1つのVMに対してシーディングを使用し、その他のVMを既存のVMにマッピングできます。

シーディングのアルゴリズム

レプリカシーディングには、次のステップが含まれます。

  1. レプリカシーディングの予備ステップとして、レプリケートする予定のVMのバックアップを作成する必要があります。レプリカの「シード」として使用するバックアップを作成する方法の詳細については、「レプリカシードの作成」を参照してください。
  2. CDPポリシーを作成する場合、DRサイトのバックアップリポジトリを指定します。初期同期時に、Veeam Backup & Replicationは、レプリカシードがあるバックアップリポジトリにアクセスし、バックアップからVMをリストアします。リストアしたVMは、DRサイトのターゲットホスト上に登録されます。リストアしたVMのファイルは、レプリカの保存先データストアとして指定した場所に配置されます。

バックアップからリストアしたレプリカの仮想ディスクは、フォーマットを維持します(つまり、元のVMがシンプロビジョニング対応ディスクを使用していた場合、VMレプリカの仮想ディスクはシンプロビジョンとしてリストアされます)。

  1. Veeam Backup & Replicationは、リストアしたVMを元のVMの最新の状態と同期させます。

同期が成功したら、Veeam Backup & Replicationコンソールの[Home]ビューの[Replicas]ノードの下に、リストアポイントを2つ持つVMレプリカが表示されます。片方のポイントにはバックアップファイルからのVMの状態が含まれます。もう一方のポイントにはレプリケートする元のVMの最新の状態が含まれます。

  1. 増分同期中、Veeam Backup & Replicationは、増分変更のみを通常の方法で転送します。

レプリカシーディングおよびレプリカマッピング 

Veeam Backup & ReplicationはVMイメージのフル・コンテンツを送信しないため、レプリカ・シーディングを使用すると、WANまたは低速の接続を経由して送信されるトラフィックが激減します。その代わり、差分のデータブロックのみを送信します。

マッピングのアルゴリズム

マップされたVMへのレプリケーションは、次のように実行されます。

  1. 最初の手順は、マッピング対象としてどのVMを選択したかによって異なります。
  • 通常のVMを選択した場合、Veeam Backup & Replicationは、元のVMとマップされたVM間の差異を計算します。
  • スナップショットVMレプリカを選択した場合、Veeam Backup & Replicationは、リストアポイントとデルタディスクをすべて削除し、元のVMとマップされたVM間の差異を計算します。
  • CDP VMレプリカを選択した場合、Veeam Backup & Replicationは、このレプリカのリストアポイントをすべてインポートし、元のVMとマップされたVM間の差異を計算します。元のVMとマップされたVMのディスクサイズが異なる場合、Veeam Backup & Replicationは、マップされたVMのリストアポイントをすべて削除します。
  1. マップされたVMの状態を元のVMの状態と同期させるために、Veeam Backup & Replicationは、計算された変更をマップされたVMに送信します。

最初のステップと2番目のステップは、初期同期中に行います。

  1. 増分同期中、Veeam Backup & Replicationは、増分変更のみを通常の方法で転送します。

初期同期が成功すると、Veeam Backup & Replicationの[Home]ビューの[Replicas]ノードの下に、リストアポイントを持つVMレプリカが表示されます。マッピング用として通常のVMレプリカまたはスナップショットVMレプリカを選択した場合、2つのリストアポイントが表示されます。片方のリストアポイントにはマップされたVMの最新の状態が含まれ、もう片方のリストアポイントには元のVMの状態が含まれます。CDP VMレプリカを選択した場合、マップされたVMのすべてのリストアポイントとともに、元のVMの状態が含まれる1つのリストアポイントが表示されます。

レプリカシーディングおよびレプリカマッピング 

関連トピック

シーディングおよびマッピングの構成