変更ブロック追跡

増分バックアップを実行するために、Veeam Backup & Replicationは前回のジョブセッション以降に変更されたデータブロックを把握する必要があります。

ハードウェアバージョンが7以降のVMware VMについては、Veeam Backup & ReplicationはネイティブのVMware vSphere機能であるVMware vSphere Changed Block Tracking(CBT)を使用します。VMware VMFS(仮想マシンのファイルシステム)をスキャンする代わりに、Veeam Backup & ReplicationはVMware VADP(VMware vStorage API for Data Protection)によってCBTに問い合わせて、前回のジョブセッション以降に変更されたブロックのリストを取得します。CBTの使用により、ブロックレベルの増分バックアップの速度と効率が向上します。

変更ブロック追跡 

Veeam Backup & Replicationは、次の操作にCBTを使用します。

  • バックアップ
  • レプリケーション
  • VM全体のリストア
  • VMディスクのリストア

Veeam Backup & Replicationでは、デフォルトでCBTが有効化されています。必要に応じて、ジョブ設定でCBTを無効にできます。

注:

バックアッププロキシのロールが割り当てられ、仮想アプライアンス(HotAdd)転送モードを使用するVMをバックアップする場合、このVMのCBTは無効になり、有効にできません。

変更ブロック追跡 

シンフォーマットの仮想ディスクを使用するVMについても、Veeam Backup & Replicationはアクティブなフルバックアップセッション中にCBTを使用し、未割り当ての仮想ディスク領域を検出して、これらの領域をスキップします。NFSデータストア上に仮想ディスクがあるVMの場合、Veeam Backup & ReplicationはCBTも使用しますが、初回の完全実行時にはCBTを活用できません(詳細については、こちらのKB記事を参照してください)。

VMで古いバージョンの仮想ハードウェアを実行している場合など、状況によっては、Veeam Backup & ReplicationはVMware vSphere CBTを活用できません。VMware vSphere CBTを利用できない場合、Veeam Backup & ReplicationはVeeam独自のフィルタリングメカニズムに切り替わります。変更されたデータブロックを追跡する代わりに、Veeam Backup & Replicationはフィルタ処理を実行して未変更のデータ・ブロックを除外します。

VMの処理中に、Veeam Backup & Replicationは仮想ディスクのコンテンツを統合してVMイメージをスキャンし、すべてのデータブロックのチェックサムを計算します。チェックサムは、VMデータの隣にあるバックアップファイルにメタデータとして保存されます。増分バックアップの実行時に、Veeam Backup & Replicationは以前のフルバックアップと増分バックアップのチェーンのすべてのバックアップファイルを開き、これらのファイルのメタデータを読み取って、現在の状態のVMで計算したチェックサムと比較します。一致した(つまり、ブロックがバックアップ内に既に存在する)場合、対応するブロックが除外されます。