バックアップチェーン

Veeam Backup & Replicationでは、次のタイプのバックアップ・ファイルを作成して保持します。

  • VBK — フルVMイメージのコピーを保存するフルバックアップファイル。
  • VIBまたはVRB — VMイメージの増分変更を保存する増分バックアップファイル。
  • VBM — バックアップジョブ、バックアップジョブによって処理されたVM、バックアップファイルの数と構造、リストアポイントなどに関する情報を保存するバックアップメタデータファイル。メタデータファイルによって、バックアップのインポート、バックアップのマッピング、その他の操作が容易になります。

これらのファイルタイプに加えて、Veeam Backup & Replicationでは、次のファイルをバックアップリポジトリ内で作成できます。

  • VSB — テープでの仮想フルバックアップの作成に使用する、仮想合成バックアップファイル。詳細については、「仮想フルバックアップ」を参照してください。
  • VLB、VSM、およびVLM — Microsoft SQL Serverトランザクションログデータを保存するファイル。詳細については、「Microsoft SQL Serverログのバックアップ」を参照してください。
  • VLB、VOM、およびVLM — Oracleのアーカイブログデータを保存するファイル。詳細については、「Oracleのログのバックアップ」を参照してください。

バックアップジョブによって作成されたすべてのバックアップファイルは、バックアップリポジトリ内の専用のジョブフォルダに保存されます。たとえば、DC Backupの名前でバックアップ・ジョブを作成した場合、Veeam Backup & Replicationでは、ターゲット・バックアップ・リポジトリ上に、[DC Backup]フォルダを作成し、このジョブで作成されたすべてのバックアップ・ファイルをこのフォルダに保存します。

バックアップファイルはバックアップチェーンを構成します。バックアップチェーンは、初回のフルバックアップファイル、増分バックアップファイル、さらにバックアップメタデータファイルで構成されます。バックアップファイルの数と、Veeam Backup & Replicationによってそれらのファイルがチェーン内でどう順序付けられるかは、選択したバックアップ方法によって決まります。詳細については、「バックアップ方法」を参照してください。

フルバックアップファイルおよび増分バックアップファイルは、バックアップされたVMのリストアポイントに対応します。リストアポイントは、任意の時点でのVMデータの「スナップショット」と考えることができます。リストアポイントによって、VMを必要な状態にロールバックできます。

VMを任意の時点にロールバックするには、バックアップファイルのチェーン(フルバックアップファイルと、このフルバックアップファイルに従属する増分バックアップファイルのセット)が必要です。バックアップチェーン内の一部のファイルが見つからない場合、必要な状態にロールバックすることはできません。このため、バックアップリポジトリから手動で個別のバックアップファイルを削除しないでください。その代わり、バックアップリポジトリ内で目的のバックアップファイル数を保持できるように、保持ポリシー設定を指定する必要があります。

デフォルトでは、バックアップ・ジョブ・セッションごとに、Veeam Backup & ReplicationはすべてのVMのデータを同じバックアップ・ファイルに書き込みます。必要に応じて、マシン単位のバックアップチェーンを作成するようVeeam Backup & Replicationに指示できます。つまり、バックアップジョブに追加されたVMごとに個別のバックアップチェーンを作成します。詳細については、「マシンごとのバックアップファイル」を参照してください。

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